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GERRY & THE PACEMAKERS "GIRL ON A SWING" [MERSEY BEAT]

GERRY & PACEMAKERSのラスト・アルバムです。

本作は1966年にアメリカのみでリリースされています。
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この時期、本国イギリスでマージー・ビート・ブームは既に過去の物になっており、彼らのシングルはチャートインすらしない状況になっていました。
しかし、彼らのアメリカでの人気は(一時期ほどではないものの)健在で、このアルバムのタイトル曲でもある「GIRL ON A SWING」(全米28位)、「LA LA LA」(全米90位)などのヒット曲を出し続けていました。

そんな中、本作は「GIRL ON A SWING」のヒットを受けて制作されました。

本作の全12曲中、彼らのオリジナルはたったの2曲(「WITHOUT YOU」、「LA LA LA」)のみで、他は全てカバー曲で構成されています。
また、収録曲の大半でセッション・ミュージシャンを使っています(多分ですが・・・)。
大名盤『FERRY CROSS THE MERSEY』での熱い演奏や素晴らしいオリジナル曲の数々と比較すると、本作はビート・グループらしい熱気や衝動性に欠けているように思います。

しかし、本作が悪いアルバムかというと決してそんなことはありません。
”ビート・グループらしさ”には欠けるものの、楽曲そのものの完成度は極めて高いものになっています。
また、アレンジや演奏も完璧です。
さらに、本作はGERRY MARSDENの”ヴォーカリスト”としての魅力や実力が、最もわかりやすい形で発揮されているアルバムでもあります。
このアルバムはGERRY MARSDENのソロ・アルバム的な感覚で聴くのが正しいのかもしれません。
本作はそういう意味でなら、かなりの傑作アルバムだと思います。

でも、ブリティッシュ・ビート好きな方には少々不満が残るアルバムかもしれません。
なんせPACEMAKERSの影が薄すぎます。
ただ、そんな中でもこのアルバムのラストを飾る「LA LA LA」だけは、ブリティッシュ・ビート・ファンの欲求不満を解消してくれるカッコいいビート・ロックです。
この曲は1966年にリリースされた他のビート・グループのシングルと比べても、何ら遜色のない出来だと思います。


私が所有しているのは、米LAURIEオリジナルのステレオ盤です。
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最近ではこの盤もあまり見かけなくなったように思います。
でも、現在では再発CDも存在しているようです。


本作は”ブリティッシュ・ビート”という観点で聴くと少々疑問符が付くアルバムかもしれませんが、個人的には非常に完成度の高い好内容のアルバムだと思います。

本作もそうなのですが、ビート・グループは本国で人気がなくなると、アメリカのみで最後のアルバムをリリースすることが多いと思います。
しかし、それらのほとんどは大して売れることもなく地味な存在に甘んじています。

でも、気のせいかもしれませんが、そんなアルバムの中には意外と良い内容の物が多いような気がします。
ホントに気のせいかもしれませんが・・・(苦笑)
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