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これもマージー・ビート? [BRITISH BEAT]

昨日の記事の続きです。

今日もマージー・ビート特集の番外編(?)です。

今では信じられないことですが、我が国ではデビュー当初のROLLING STONESを”リヴァプール・サウンド”として紹介していました。
事実、キング・レコードからの国内1stアルバムのタイトルは”これがリヴァプール・サウンドの決定盤!!ザ・ローリング・ストーンズ”となっています。

当時はリバプール出身ではないグループまでもが、”リヴァプール・サウンド”または”マージー・ビート”として紹介されていたようです。
今と違って情報量が限られていた当時なら、多少の事実誤認は仕方なかったのかもしれませんね。

実際、彼らはこんな曲もやってます・・・
dc082001.JPG

「I WANNA BE YOUR MAN」の動画です。

BEATLESが提供したどうでもいい曲(?)を、それなりの状態に仕上げたBRIANのセンスはさすがです。
極論を言えば、この曲にMICKのヴォーカルは要りません。BRIANのソロでいいと思います(←暴論です)

当時のSTONESはこのように屈辱的(?)な扱いをされてはいましたが、今でも現役の彼らをマージー・ビートの一種として捉えている人は皆無でしょう。

しかし、60年代しか活動していなかったグループになると話は変わってきます。

そのような誤解を受けたままになっている代表例がロンドン出身の彼らでしょう。

DC5の「GLAD ALL OVER」の動画です。


彼らの代表曲である「BECAUSE」は、我々日本人が思い浮かべる典型的なマージー・ビート風の曲です。
なので、彼らは余計に誤解を受けやすいのだと思います。
しかし、「GLAD ALL OVER」を聴けば分かるように、彼らの本当の魅力は違ったところにあると思います。
きちんと聴きさえすれば、彼らのことを誰もマージー・ビートとは呼ばないでしょう(多分・・・)。

また、マンチェスター出身のグループもマージー・ビートと混同されることが多いと思います。
マンチェスターはリヴァプールと同じイギリス北部の都市です。
都市間の距離が近いせいか、音楽的な共通点も数多くあります。
どちらも所謂”黒っぽい”サウンドではありません。

それらのサウンドは非常に似ているイメージがありますが、微妙な部分で異なっていると思います。
やはり、マンチェスターのビート・グループには彼らなりの個性があるように感じられます。

HERMAN'S HERMITSの「WONDERFUL WORLD」の動画です。

マンチェスターのグループは同郷のGRAHAM GOULDMANの楽曲が多いのも特徴のひとつですよね!

HOLLIESは上記のHERMAN'S HERMITSやMINDBENDERS、FREDDIE & DREAMERSらとは少しサウンドが異なっているような気がします。

これはマネージメントの違いかな?

多分、我が国で最も”リヴァプール・サウンド”または”マージー・ビート”の一味(?)として誤解されているのは、PETER & GORDONだと思います。

彼らはリヴァプール出身者でもなく、GEORGE MARTINプロデュースでもなければ、BRIAN EPSTEINのマネージメントでもありませんでした。
そんな彼らが誤解されている最大の原因は、大ヒット曲「A WORLD WITHOUT LOVE」をはじめとするLENNON-McCARTNEY提供曲が多かったからでしょう。

この曲もそうですね。

大ヒット曲「WOMAN」です。
これはPAULの単独クレジット曲でしたっけ?(汗)

しかし、彼らにはLENNON-McCARTNEY提供曲以外にも素晴らしい曲は沢山あるのです!

「I GO TO PIECES」です。


彼らのサウンドはR&B色が薄いのでリヴァプール勢と似ている面も多いかと思いますが、彼らのアルバム収録曲には一筋縄にいかない楽曲が数多く含まれています。
彼らは誤解されているだけではなく、過小評価もされていると思います。

また、ZOMBIESもごく一部でマージー・ビートと誤解されているようです。

我が国での彼らは「I LOVE YOU」のイメージが強いのでしょうか?
でも、これは”カーナビー・サウンド”でしたっけ?(笑)
なんだかよく分かりませんね(苦笑)

おまけの動画です。


これのどこがマージー・ビートなのでしょうか?(笑)
この映像のZOMBIESはガレージ・バンドみたいです。
彼らがアメリカのガレージ・バンドの連中から絶大な支持を受けた理由は、きっとこの辺にあったのだと思います(多分・・・)。

これは1967年頃の映像のようですが、COLINとPAULの服装にお金が掛かってなさそうに見えるのは、やはり経済的な問題があったからでしょうか?
印税が入らない人は辛いです・・・

話がマージー・ビートから大幅に脱線したところで今日はオシマイです!

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コメント 6

へどろん

いやぁ、やっぱ当時は売れるための美味しいキーワードだったんでしょうね。
だからなんでも…当時情報は少なかったでしょうし、どうせワカンネだろう、みたいな感じで…ふぅ

確かにDC5はビコーズ聴いた後、GLAD ALL OVER聴いてその迫力に驚きましたから…うふ♪
by へどろん (2009-08-21 00:19) 

poposuke

へどろんさん おはようございます

とりあえずは、何でも”リヴァプール・サウンド”にしておけばいいや~みたいな感じだったのでしょうね。
当時はイギリスの細かい情報なんてあまり伝わっていなかったのでしょうし、多少の事実誤認も仕方なかったのかもしれませんね。
でも、今になってみるとそういったキャッチ・コピーの数々は非常に面白いと思います♪

>確かにDC5はビコーズ聴いた後、GLAD ALL OVER聴いてその迫力に驚きましたから…うふ♪

個人的には「DC5=BECAUSE」みたいな固定概念には納得いきません。
彼らの魅力は絶対に別のところにあるはずですから。
その辺は9月以降にこれでもか!というくらいにやる予定です(笑)

by poposuke (2009-08-21 07:18) 

ofukurock

はじめまして  当方poposukeさんより少々(?)年上1964生まれです。
‘64・・・その後の自分の音楽的志向を思うと勝手に運命を感じてしまいます。

この歳になって思うのは「カテゴリーに振り回されて損してたなぁ」ということです。
若い頃は(高校から20代半ばくらいかな)頭でっかちでトンガって、音楽雑誌の記事を鵜呑みにして・・・
「黒っぽい」、「R&Bに根ざした・・・」なんて言葉で右往左往してましたねぇ。stonesにはじまって、prettythingsだ、modsだ、bluesだと追っかけてました。
DC5については昔々なにかの本に「こざっぱり」、「優等生的ルックス」と書いてあって自分の好みではないと決めてしまったんです、あ~ばかばか!ごめんなさい!まずは自分の耳と♥で確かめろよ!と、昔の自分に言ってやりたい・・・
でも今思うと実は当時も好きだったんですよ、DC5.あ、peter&gordonも
searchers(職人!)も・・・恥ずかしくて(何に?)公表できなかっただけで。
ほんとに若さってヤツはバカさの裏返し・・・
去年はマイク・スミスに涙を搾り取られ、もう1滴も残ってないと思ってたら
この夏はゴードン・ウォーラーが・・・でもきっと天国でセッションしてますね、
デニーに「え?もう来たの?」なんて言われてたりして。
ギターはデレク・レケンビー、ドラムスはクリス・カーティス(そういや、この人もドラマーにしては目立ってたような・・・)なんちゃって♥
by ofukurock (2009-08-21 19:44) 

poposuke

ofukurockさん はじめまして

私も若気の至り(?)で、音をきちんと聴く前から勝手にダメだと決め付けることが多かったですね。
今になって振り返ると本当に浅はかだったと思います。

以前はBILLY J. KRAMERやHERMAN'S HERMITS、FREDDIE & DREAMERSなんかを完全にバカにしていましたが、今ではすっかり彼らを大好きになりました(笑)
どのビート・グループにも必ず光るところはありますからね♪

私もずいぶんと遠回りをしてしまいましたが、遠回りしていた間にもいろいろな音楽との出会いもあったので、それはそれで無駄ではなかったのかもしれないとプラス思考に考えております(笑)

ちなみにDC5関連の記事は9月になるとこれでもか!という勢いで登場する予定です。

最近はブリティッシュ・ビートとは無縁のブログになりつつありますが(苦笑)、今後ともご愛顧のほど宜しくお願い致します!

by poposuke (2009-08-22 00:34) 

プリムローズ

私が持っている60年代英国ロックのCDは、Peter & Gordon、DC5、The Hollies、Herman's Hermitsなど、世間で「マージービート」扱いされているミュージシャンが多く、R&B系やモッズ系の作品は少ないです。

所有しているCDのミュージシャンで実際にリバプール出身なのは、Gerry & The Pacemakers、The Searchers、The Swinging Blue Jeansなどですが…。
(The Beatlesは9月発売のCDを予約済みです。)

DC5が米国デビューした時の話ですが、彼等はロンドンのトッテナム出身なのに、「Glad All Over」の雑誌広告で「マージービート」と紹介されてしまったこともあります。

60年代当時は情報が少ない時代なので、現代に比べて間違いや誤解が多かったし、「DC5のメンバーは元サッカー選手」のような、話題作りの為の作り話もありましたが…。
by プリムローズ (2009-08-22 22:54) 

poposuke

プリムローズさん こんばんは

当時は「マージー・ビート」と紹介した方が売り出しやすかったのでしょうね。
LIVERPOOL FIVEのように出身地を完全に詐称している人達もいましたしね(笑)
ただ、「マージー・ビート」扱いされるのは、今となっては完全に逆効果になっているような気がします。

ところで、最近はシングル盤だけで終わってしまったビート・グループをよく聴くのですが、リヴァプール勢でもR&B色が濃い人達も結構いたんですよね。
そういう人達の多くはあまり売れませんでしたけど・・・
一言で「マージー・ビート」といっても奥が深いです!
by poposuke (2009-08-23 00:03) 

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