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BELMONTS "CARNIVAL OF HITS" [紙ジャケCD]

去年はブリティッシュ・ビート系のCDやレコードよりも、そのルーツとなった音楽や同時代に影響を与えたであろう音楽を中心に集めていました。

こういったブリティッシュ・ビートの元ネタ追求は学生時代から定期的に行っていたのですが、ここ数年で古いR&RやR&Bの国内盤CDが安価で発売されたのは非常に大きかったです。
去年は調子に乗って結構な枚数を購入してしまいました(苦笑)

その中でもマイ・ブームだったのはドゥーワップです。
ドゥーワップの素晴らしいアルバムはたくさんありますが、最近特に気に入っているのがこのアルバムです。
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BELMONTSの『CARNIVAL OF HITS』です。

1962年にリリースされ全米113位を記録した本作には、「COME ON LITTLE ANGEL」(全米28位)、「TELL ME WHY」(全米18位)、「DON'T GET AROUND MUCH ANYMORE」(全米58位)、「I NEED SOMEONE」(全米75位)が収録されています。

本作はBELMONTS単独名義としては最初のアルバムでもあります。
同時期にソロで大活躍していたDION DiMUCCI在籍時の作品も勿論気に入っているのですが、それよりもこのアルバムの方が素晴らしいですね!
看板シンガーが抜けた後のグループは人気低迷するのが世の常かもしれませんが、彼らがヒット曲を出し続けたのは変わらぬチームワークとハーモニーの素晴らしさ、それに取り上げた楽曲の良さがあったからでしょう!

所謂ホワイト・ドゥーワップのグループは星の数ほどいましたが、私の中でBELMONTSは別格です。
ホワイト・ドゥーワップ=BELMONTSと言ってもいいくらいだと思っています。
やはり、彼らの音楽にはストリートの匂いがします。
ニュー・ヨークの下町の貧しいイタリア系少年達が、大好きな歌をストリートで歌うことによってのし上がっていく・・・、こんな光景は同時代の他のアーティスト達にもあったと思います。
でも、そういったストーリーは彼らが最も似合っています。
彼らよりも技術的に優れたドゥー・ワップ・グループもいるのでしょうけど、歌が上手いだけの人達にはあまり魅力を感じないんですよね。

BELMONTSはドゥーワップのブームが去った60年代半ば以降もメンバー・チェンジを経て、しぶとく生き続けます。
70年代初頭のR&Rリヴァイバルの流れに乗り、DION & BELMONTSの一時的な再結成や、傑作アルバム『CIGARS, ACAPPELLA, CANDY』(1972年)をリリースしたりします。
『CIGARS, ACAPPELLA, CANDY』はアカペラの教科書みたいなアルバムです。
今なら国内盤CDが廉価で発売されているので、興味のある方は在庫があるうちに是非!

ところで、この『CARNIVAL OF HITS』のCDはOLDAYS RECORDSから発売されています。
OLDAYS RECORDSはその名のとおり50年代から60年代前半のアルバムを数多く紙CD化しているレコード会社です。
この会社は発表から50年以上経って著作権関連の保護期限が切れた作品を再発しています。
今までCD化されていない貴重なタイトルを中心に再発する姿勢は大変素晴らしいことですし、紙ジャケCDが本体価格で1500円(税込1620円)というリーズナブルな価格設定も嬉しいところです。
このようなレコード会社は応援したくなります。

しかし、少しだけ気になるところもあります。

この紙ジャケCD、ジャケット・デザインがオリジナルの物ではありません。
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OLDAYS RECORDSから発売されている全タイトルのジャケットを確認したわけではありませんが、私が知っている範囲では全てジャケット・デザインが微妙に異なっています。
恐らく、ジャケットについては権利関係の問題があるのだと思われます。
でも、オリジナルとは異なるデザインになってしまうのなら、わざわざ紙ジャケCDにする必要はあるのでしょうか?
個人的には紙ジャケCDへの拘りなんて全くないということもありますが、コストの高そうな紙ジャケではなく、安価なプラケースでも十分なのでは思います。

また、この紙ジャケCDには24bitリマスターを施しているとの表記がありますけど、どのような音源を使ってリマスターしているのかも気になっています。
著作権関連がクリアできて楽曲を使うことは可能でも、通常は音源の所有者からマスター・テープを借りて使用料を支払わなければいけません。
大手のレコード会社なら然るべきルートを使って正規の音源を入手するのでしょうが、(失礼ながら)マイナーなレコード会社はそうでない場合もありそうです。

英国のHALLMARKというレーベルも発売から50年経った保護期限切れのアルバムを多数CD化していますが、HALLMARKの音源はマスター・テープではなく盤起こし、つまりレコードを使用していることが多いです。
しかも傷が多く状態の悪いレコードを何の処理もせずにCD化していることもあるので、CDなのにプチパチノイズだらけ、下手すると針飛びもあるという事態も発生します。
そのかわりマスター・テープ使用料などのお金がほとんど掛かっていない分、CDの価格は非常に安いです。
日本でも恐らく1000円未満で買えると思います。
間違ってもおすすめはできませんが・・・

OLDAYS RECORDSの紙ジャケCDの中にも、盤起こしの物がいくつかあるかもしれません。
古い作品の場合、マスター・テープが行方不明であったり、テープがあっても保存状態が悪いために著しく劣化していることがあります。
また、某ビート・グループの社長さんのように音源の使用許可が出なかったり、使用料金が高すぎる場合もありそうです。
そのような時の最終手段は盤起こしになると思いますが、入手困難なタイトルの場合はそれも有りだと思います。
ただ、盤起こしの際には少しでも状態の良いレコードを使用してほしいですし、そのままCD化するのではなく、きちんとリマスター(?)してほしいです。
OLDAYS RECORDSのCDは数枚所有していますが、それらを聴く限り音質に問題はないと思います。
彼らは英HALLMARKなどと違って音質面への拘りをしっかり持っているのでしょう!

OLDAYS RECORDSからは初CD化されるアルバムや、長らく廃盤状態だったアルバムが多数リリースされています。
大手のレコード会社でも苦戦している状況の中でいろいろと大変な事も多いかと思いますけど、素晴らしい音楽を次の世代へ引き継いでゆくのは本当に大事なことです。
音楽ファンのためにも頑張ってほしいものです。


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Speakeasy

ドゥーワップ、殆ど聴いたことがありません。ザ・ベルモンツがお勧めなんですね( ..)φメモメモ

Oldays RecordsのCDはDC5の紙ジャケを数枚購入しました。ノイズとか感じませんでしたし、音はまずまずだと思いましたが、ジャケットのレーベル・ロゴがオリジナルから、Oldays Recordsのロゴに差し替えられていたのは、悲しい出来事でした(笑)

by Speakeasy (2016-03-21 23:04) 

poposuke

Speakeasyさん おはようございます

私もドゥーワップにあまり詳しいわけではありませんけど、BELMONTSならハズレは少ないと思います!

Oldays RecordsのDC5のジャケットもデザインはかなり変更されていますよね。
レーベル・ロゴは使用要件がかなり厳しいのだと思います。大手レコード会社から発売されている紙ジャケCDでも、ロゴだけは変更されていることが多いです。
本当は紙ジャケにCLOUMBIAやEPICのロゴが入っていれば良いのでしょうけど、アルバム単位で再発してくれるだけでも有難いことなのかもしれません。

by poposuke (2016-03-26 08:59) 

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