このジャケットで悪い内容ということは有り得ません!

数あるELVISのアルバムの中でも、確実にベスト3に入るジャケットです。

1970年にリリースされた本作は全米183位を記録しました。

本作は1969年のメンフィス・セッションで録音された曲の中から、シングル・カットされた曲や、映画『CHANGE OF HABIT』で使用された曲、傑作アルバム『BACK IN MEMPHIS』に収録された曲以外で構成されています。

しかし、残りモノに福があるとはよく言ったものです。
本作は地味な存在ながらもかなりの傑作です。
そもそも奇跡的ともいえるメンフィス・セッションに捨て曲などは存在しません。

本作は姉妹盤でもある大名盤『FROM ELVIS IN MEMPHIS』に勝るとも劣らない内容です。
本作に派手な曲は皆無なので少々地味な印象こそありますが、胸に響くような曲が多いと思います。
むしろ、個人的には本作の方が気に入っているくらいです。

本作に50年代の野性味溢れる若き日のELVISはいません。
ここでのELVISの歌唱はどこまでも優しく穏やかな感じがします。
これは彼がここに至るまで様々な人生経験を積んできたことが無関係ではないはずです。
軍への入隊や映画出演、人気の低迷・・・様々な良いことや悪いことを経験してきた彼だからこそ、自分の大好きな歌を素晴らしい表現力で歌うことが出来たのでしょう。
彼の60年代は決して無駄になっていなかったと思います。

勿論、曲そのものも素晴らしい曲ばかりです。
また、凄腕ミューシャン達による演奏やアレンジなども完璧なので、全くケチの付けようがありません。