先日、おまけのブログでこのアルバムを記事にしました。


このアルバムを聴いていたら、久しぶりにこのシングルを聴きたくなりました。

「JUMPIN' JACK FLASH」です。

私の『THROUGH THE PAST,DARKLY』はUKオリジナルのステレオ盤ですが、このシングル盤はモノラルで収録されています。
以前、BEATLESのシングルについての記事でも同じようなことを書きましたけど、シングル盤からはその時代の空気がダイレクトに伝わってきます。
同じ曲でも『THROUGH THE PAST,DARKLY』のステレオ盤からはそのような空気は希薄ですし、聴いたことはありませんが『THROUGH THE PAST,DARKLY』のモノラル盤でも、多分シングル盤と同じ雰囲気にはならないと思います。

私は本当に素晴らしい曲なら、どんなフォーマットで聴いても同じように素晴らしく聴こえます。
UKオリジナル盤で聴いても、AMラジオで聴いても、その曲の本質は変わらないと思います。
ただ、その時代の空気もそうですが、制作者側の想いなどが直接的に伝わりやすいのは、やはりシングル盤のような気がします。

1968年といえば、戦争、変革、暴動、暗殺・・・という混沌とした印象がある年です。
そんな混沌とした空気がこのシングルには凝縮されていると思います。
よく、「JUMPIN' JACK FLASH」という曲はR&Rへの回帰という捉え方をされます。
それは間違いではありませんが、それだけではないと思います。
このシングルにある混沌とした空気は、彼らがサイケの波を乗り越えてきたからこそ体現出来たことだと思います。
サイケ期前の彼らなら、同じ曲をやってもこうはならなかったでしょう。

また、このシングルはB面が素晴らしいのです!

STONES版サイケの最高傑作、「CHILD OF THE MOON」です。
この曲で彼らはサイケを完全に消化して自分達の糧にしています。
問題作(?)『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』は決して無駄ではなかったのです!
彼らがそれを通過してきたからこそ、現在へと続く道が切り開かれたのです。

それにしても、こんな素晴らしい曲をさりげなくB面曲にするなんて、STONESも憎いことをします。
この傑作がB面だからこそ、A面もさらに光るのです。
STONESはデビュー以来、BEATLESと何かと比較されるのが宿命でしたが、このシングルで完全に”別もの”になったのだと思います。

・・・というか、その前から別ものなんですけどね(笑)