ここ日本でFOUR SEASONSは過小評価されているグループだと思います。

というか、全く評価されていないような気がします。
彼らの良きライバルであったBEACH BOYSの評価とは雲泥の差です。

思えばBEACH BOYSも私の中学生の頃までは似たような状況でしたが、今では雲の上の存在になってしまいました。
それに比べてFOUR SEASONSは「SHERRY」だけのオールディーズ、つまり典型的な”BEFORE BEATLES”みたいな存在にしか思われていません。
BEATLESのライバルとしてしっかり認定されているBEACH BOYSとは大違いです。

しかし、FOUR SEASONSはBEATLESのアメリカ上陸後も数多くのヒットを出していました。
彼らは決して”BEFORE BEATLES”の代表格ではありません。
また、彼らにはBEACH BOYSにも負けず劣らずの多彩なハーモニーがありますし、LENNON-McCARTNEYやBRIAN WILSONにも比類する優れたコンポーザーであるBOB GAUDIO(この人の評価も低すぎ!)もいます。
それに忘れちゃいけない看板リード・シンガーのFRANKIE VALLIだっています!

そんなFOUR SEASONSのアルバムの中でも、さらに評価されていないアルバムがコレです。

FOUR SEASONSの意欲作『THE GENUINE IMITATION LIFE GAZETTE』です。
1969年にリリースされ全米85位を記録した本作には、「IDAHO」(全米95位)、「SOMETHING’S ON HER MIND」(全米98位)が収録されています。
本作は”架空の新聞”がコンセプトになっており、様々な社会問題をテーマとした曲が収録されています。
勿論、曲作りは全てBOB GAUDIO(とJAKE HOLMESとの共作)で、プロデュースも彼自身が務めています。

彼ら初のコンセプト・アルバムとして半年の制作期間と多額の宣伝費用を費やした本作ですが、残念ながらあまり売れませんでした。
でも、売れなかった=悪い作品ではありません。
むしろ、本作は名盤の部類に入ると思います。
アルバムのコンセプトは面白いですし、収録曲の完成度は非常に高いです。
ただ、本作は従来のポップなFOUR SEASONSとは違って非常に複雑な構成になっているので、当時のファンは戸惑ってしまったのかもしれません。
よくコンセプト・アルバムにありがちな頭でっかちの作品ではないと思うのですが・・・
そして、本作はその後も正当な評価をされることなく埋もれたままになっています。

そんな隠れた名盤とも言える本作ですが、充実しているのはアルバムの内容だけではありません。
ジャケットもアルバム・コンセプト同様、新聞をイメージした作りになっています。
このアルバムはジャケットを手にするだけでも非常に楽しいです!

というわけで、以下はUSオリジナル盤のジャケット紹介です。