DAVE CLARK FIVEのレコーディングではスタジオ・ミュージシャン(またはセッション・ミュージシャン)が起用されていたと言われています。

実際、スタジオ・ミュージシャンとして著名なドラマーのBOBBY GRAHAMは、DC5の曲の大半は自分が演奏したと主張しています。
また、DC5のレコーディングをサポートしていたLES REEDも同様の発言をしていたと思います。

60年代の英国でスタジオ・ミュージシャンが使わるのはそれほど珍しいことではありませんでしたが、DC5のリーダーでありドラマーでもあるDAVE CLARKはそれをはっきりと否定しています。
初期DC5の曲作りに関わっていたRON RYANも、レコーディングではDAVE CLARK自らがドラムを叩いていたと証言していますし、後期DC5を録音エンジニアとして支えたJOHN MACSWITHも同様の証言をしています。

それぞれ全く異なる説がありますが、一体どちらが正しいのでしょうか?

既に故人となってしまったBOBBY GRAHAMからは、真偽のほどを確かめることは出来ません。
しかし、LES REEDの発言はある程度の客観性があるとも言えます。
ただ、(別の機会に触れますが)DAVE CLARKとはかなり微妙な関係にあると思われるRON RYANの発言も信憑性が高いです。
エンジニアのJOHN MACSWITHはDAVE CLARKのドラムが巧かったので、DC5のレコーディングは常にスムーズに進んでいたとも言っています(笑)

ちなみにBOBBY GRAHAMはBRIAN EPSTEINから(PETE BESTの代わりに)BEATLESへの加入を打診されたとも主張している人です。
こちらの真偽のほどは定かでありませんけど、彼の主張の全てを真実とするのはどうかと思います。
勿論、全てが嘘と断定することもできません。

よくDC5がスタジオ・ミュージシャンを使っていた根拠として挙げられるのは、EMI契約以降とそれ以前ではサウンドが大きく異なっていることです。
EMI以前は非常にショボかったドラムの音が、EMI期からは前面に強調された”ラウド”な音になっています。
この劇的な変化はスタジオ・ミュージシャンの起用によるものだとされています。

それにTV出演時のDC5に”口パク”演奏が多かったことも理由にひとつになっています。
つまり彼らの演奏技術が拙かったので、スタジオ・ミュージシャンを使う必要があったということです。