多くの人がTOM JONESに持っている印象といえば“マダム殺しの超絶倫シンガー”といったところでしょうか?

概ね間違いではありませんが、超実力派ブリティッシュ・ロック・シンガーである彼をマダム達だけに独占させておくのは非常に勿体ない事だと思います。

このアルバムは1965年に発表された彼のファースト・アルバム(全英11位)です。

まず、このアルバムの最大の目玉が冒頭を飾るキラー・チューン「I‘VE GOT A HEART」です。
歌っている本人の半径1m以内にいると、間違いなく聴覚に異常をきたすであろう圧倒的な声量の超絶ヴォーカルは、中途半端なビート・グループのヴォーカリストなんかでは足元にも及ばないほどの破壊力です。
ERIC BURDONが“アニマル”なら、彼はまさしくケダモノ(?)です。

アルバムの1曲目が素晴らしいと残りの収録曲がゴミでも、3分の1程度は満足することができますが、このアルバムにはもう1曲のキラー・チューンである、ヒット曲「IT‘S NOT UNUSUAL」(全英1位)がA面の最後に控えています。

この2曲の傑作を聴くだけでもこのアルバムは“買い“です。

勿論、他の収録曲でも彼のヴォーカルは圧倒的な迫力です。
特に疾走感溢れるA面で桁違いです。