私は昔からアメリカン・ロックよりもブリティッシュ・ロックばかり聴いてきました。

しかし、最近ではB級ガレージやサイケ物が中心ですが、60年代のアメリカン・ロックも好んで聴くようになりました。

そうした中で特に再評価しているのが60年代のELVISです。

BEATLES登場以降のELVISは音楽的にあまり高い評価をされておりません。
むしろ、音楽的には停滞していたとさえ思われています。

でも、本当にそうなのでしょうか?

60年代のELVISは主演映画のサントラ盤を数多くリリースしていました。
そんなサントラ盤の典型的な一例がこのアルバムです。


1966年にリリースされ、全米18位を記録した本作には、
「SPINOUT」(全米40位)、
「ALL THAT I AM」(全米41位)、
が収録されています。

この時期、ELVISの主演映画はマンネリ化しつつあり、その影響もあってかレコード・セールスの面でも人気が下降気味でした。
そうしたこともあって、本作を含む1966年から68年頃迄のELVISのアルバムについて、あまり良い評価はされていないようです。

しかし、このアルバムにはそんな評価と裏腹に、実に魅力的な楽曲の数々が収められています。

個人的にはクールでカッコいいタイトル曲「SPINOUT」や、賑やかで楽しい「STOP,LOOK AND LISTEN」、ジャングル・ビート風の「NEVER SAY YES」、楽しいビーチ・ナンバー「BEACH SHACK」、ジェントリーな「ALL THAT I AM」なんかが気に入っています。
この他にも美しいバラードやブルージーな曲、さらにはBOB DYLANのカバー「TOMORROW IS A LONG TIME」など、多種多様な楽曲が含まれています。
本作の場合はどちらかと言えば映画で使用されていない曲に隠れた名曲が多いと思います。

この時期の彼は英国勢に押されて時代遅れの存在になりつつありましたが、現在の視点でこのアルバムを聴いてみると決して悪い内容ではありません。
むしろ、捨て曲の少ない好作品だと思います。

そして、やっぱり極めつけはどんな曲でも完璧に歌いこなす彼のヴォーカルでしょう!

このアルバムは映画『SPINOUT(カリフォルニア万才)』のサントラ盤です。
というわけで、映画の一場面の動画です。


「STOP,LOOK AND LISTEN」です。


おまけにもうひとつ!ジャングル・ビート風の「NEVER SAY YES」です。



私が所有しているのは米RCA VICTORのオリジナル・ステレオ盤です。

レーベルも深溝付きで、ニッパー君のロゴが中央にあります。