RASCALSのベスト盤を挟んでの5作目は2枚組の超大作です。



私は今まで様々なアルバムを聴いてきて、単純に楽しんだり、凄いな~と感心したりすることは多々ありましたが、深い感動を覚えたのはこのアルバムが初めてでした。

このアルバムはメッセージ性が強い作品だと言われています。
この時期の彼らは単なるブルー・アイド・ソウル・グループの枠を超えて、人種問題をはじめとする様々な社会問題について強いメッセージを発していました。

しかし、残念なことに私の英語理解力では、歌詞による具体的なメッセージ内容は分かりませんでした。
それでも、彼らの熱い想いは音楽からだけでも充分すぎるほど伝わってきました。

私がこのアルバムから教わったことは、音楽をジャンル分けすることの無意味さです。
音楽には人種や言語などを超えて伝わるものが必ずあって、それは音楽のジャンルという括りには縛られないということです。
そんなことは頭の中でとっくに理解していたつもりでいましたが、実際に音を聴いてそれを体感したのはこのアルバムが初めてでした。

彼らはデビュー当時から追い求めていた本当の”ソウル”をこのアルバムで手に入れたんだと思います。

能書きが随分長くなってしまいました・・・

1969年にリリースされ全米17位を記録した本作には、
「PEOPLE GOT TO BE FREE」(全米1位)、
「A RAY OF HOPE」(全米24位)、
「HEAVEN」(全米39位)、
が収録されています。

本作は2枚組の力作ですが、2枚目にはインストの組曲が収録されています。
彼らは作曲能力だけでなく演奏能力も非常に高いので、インスト曲も充分楽しむことができますが、ここでは敢えて割愛させて頂きます(笑)

本作には彼らの代表曲でもある、上記3曲のシングル・ヒットが収録されています。
それぞれチャート上の差こそありますが、どれも甲乙付けがたい素晴らしい出来です。


(彼らは”ライヴ・バンド”としても超一級です!ベースレスとは思えない迫力だと思います!)

また、シングル以外のアルバム収録曲も何ら劣るものではありません。
全曲シングル・カットしても不思議ではない程の傑作が揃っています。
彼らのツボをついたような曲作りの巧みさは職人芸の域に達していると思います。
そして、彼らのソウルフルなヴォーカルは何よりも魅力的ですね!