VENTURES、いや、ベンチャーズは50代より上の世代の方にとっては思い入れの深いグループかもしれませんが、私くらいの世代になると単なる懐メロバンドとしての印象しかありませんでした。

そんな私の浅はかなイメージを覆してくれたのがこのアルバムです。



本作は1965年に発表され、全米31位を記録しました。

この1965年という時期は、英国製がアメリカのヒット・チャートを荒らしまくっていた時期です。
このアルバムはベンチャーズから英国ビート・グループへの返答ともいえる作品です。
といえば、カッコいいのですが実際には流行りに乗ってみたに過ぎません(笑)

でも、その時流に乗ったカバーがとにかくカッコいいのです。

本作の収録曲の大半はブリティッシュ・ビート・グループのカバー曲です。
BEATLESの「I FEEL FINE」から始まり、SEARCHERSの「LOVE POTION NUMBER NINE」、「WHEN YOU WALK IN THE ROOM」、ZOMBIESの「SHE'S NOT THERE」、MANFRED MANNの「SHA LA LA」といった曲が果敢にカバーされています。

これらを聴いて改めて感じることは、彼らの演奏力の高さと適応能力の高さです。
どの曲もオリジナルのイメージは崩していませんが、結局はどこから切ってもベンチャーズの音に聴こえてしまいます。

当たり前のことかもしれませんが、本当に彼らは”上手い”バンドです。
本作に収録されている曲は、どれもオリジナルにも負けない位カッコいいと思います。

その中でも、個人的にはドライブ感溢れる「I FEEL FINE」と、ドラマチックな「WHEN YOU WALK IN THE ROOM」が気に入っています。
また、彼らのイメージにピッタリの「MARINER NO.4」もいいですね。

本作はベンチャーズのファンの方からも最高傑作にあげられることが多いようですね。
確かにクオリティーが非常に高く、捨て曲など全く存在しない本作は大名盤だと思います。