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昨日届いたシングル盤 'SUKIYAKI (UE O MUITE ARUKO)' [雑記]

昨日、イギリスから3枚のシングル盤が届きました。

そのうちの1枚がコレです。
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そうです!我らが九ちゃんの世界的な大ヒット曲、「SUKIYAKI(上を向いて歩こう)」のUKオリジナル・シングルです。

以前から米CAPITOLのオリジナル・アルバムは持っているのですが、
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どうしてもシングルはUK盤で欲しかったのです。

それはこの曲をワールド・ワイドにしたきっかけがイギリスにあったからです。

最初に「SUKIYAKI」をイギリスに紹介したのは、ジャズ・トランペッターのKENNY BALLです。
ジャズ風のインストにアレンジされたKENNY BALL 版「SUKIYAKI」は全英10位のヒットになりました。
日本の曲である「上を向いて歩こう」をKENNY BALLに聴かせたのは、彼が所属していたPYEレコードの社長です。
1962年に来日していたPYEレコードの社長はこの曲を耳にしてすっかり気に入ってしまい、シングル盤をイギリスに持ち帰ってきたのでした。
当初、KENNY BALLはこの曲のタイトルを原題のままか、直訳したタイトルでリリースするつもりだったようです。
しかし、日本語のままでは発音しにくいし、直訳した「I LOOK UP WHEN I WALK」では長ったらしいということで、彼が知っていた日本語の中から語呂の良い(?)「SUKIYAKI」という言葉がタイトルに選ばれました(他には「サヨナラ」という言葉も候補に上がっていたようです)。
このタイトルを選んだ際には、同じPYEレーベルに所属していたPETULA CLARKも同席していたようです。
曲とは何の関係もない「SUKIYAKI」というタイトルですが、KENNY BALL版はインストなので、イギリスの人達にとっては特に違和感がなかったのかもしれませんね。

タイトルの良し悪しはともかくとして、この曲の良さにイチ早く気付いていたイギリス人のセンスは流石だと思います!
なので、そんなイギリスの方々に敬意を表する意味でも、このシングルはUK盤で聴かなければいけないと思っておりました(笑)

舞台はアメリカに移ります。

「MIDNIGHT IN MOSCOW」(全米2位)のヒットを持っていたKENNY BALLはアメリカでも有名でしたが、残念ながらアメリカでKENNY BALL版「SUKIYAKI」はヒットしませんでした。

アメリカでこの曲が広く知られるようになったのは、とあるラジオ局のDJが九ちゃんオリジナルの「上を向いて歩こう」を番組内で紹介したのがきっかけでした(九ちゃんオリジナルのシングル盤をこのラジオ局に持ち込んだのは、日本帰りの少年だったようです)。
すると、どうでしょうか!曲が終わると同時にリクエストや問い合わせがラジオ局に殺到しました!
この話題を聞きつけた商魂逞しい(笑)CAPITOLレコードはこの曲をオリジナルの形で発売することを決定しました。

そうして全米で大ヒットした本家「SUKIYAKI」は逆輸入の形(?)でイギリスでも発売され、BEATLES旋風が吹き荒れる中で全英6位の大ヒットになりました。
ちなみに、イギリスで九ちゃん版のレコードをリリースしたのは先見の明があったPYEレコードではなく、EMI系のHMVでした・・・

このイギリスでも大ヒットしたシングルは私の好きなブリティッシュ・ビートの面々も絶対に聴いていたはずです。
このUKオリジナルのシングル盤を聴いていると、なんとなく彼らと同じ空気を共有している感じがします。

それに、このB面も素敵です!
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この曲をB面にするセンスが素晴らしい!
これを聴いたイギリスの人達は歌の意味など分かるはずもありませんが、楽しさだけは絶対に伝わっているはずです!


このシングルを聴いて感じることは、本当に素晴らしいメロディーを持つ曲は言葉の壁なんて簡単に越えてしまうということです。
特に外国語の歌は一切受け付けないアメリカで、この曲がヒット・チャートの1位になったことがそれを証明しています。
全米ヒット・チャートに詳しい方ならご存知かと思いますが、英語以外の歌が全米1位になった例はごく僅かしかありません。
現在の政治・経済でもそうですが、何でも自分達が一番で、自分達だけが世界基準だと思っている(?)アメリカ人が、母国語である英語以外の歌を受け入れるのは本当に稀なことなのです。

日本人である私たちにとってはこの曲の歌詞は特別なものだと思いますが、当時の英米の方々でこの曲の歌詞を100%理解していた人はどれだけいたでしょうか?
恐らく、それは皆無に等しかったと思います。
しかし、この曲が持っている普遍的なメロディーと九ちゃんの誰にでもわかる親しみやすい”声”は、そんな言葉の壁を簡単に超えてしまいました。

この曲が世界的なヒットになったのは偶然が重なったという部分も確かにあると思いますが、それは奇跡的なことではなく”必然”だったのだと思います。

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ついでですが、同時に届いたシングル盤はこの2枚です。
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SEARCHERSのアルバム未収録のシングルです。

これらのシングルはA面も最強ですが、オリジナルのB面も素晴らしい!

どこかの評論家が彼らは作曲能力に乏しいと書いていましたが、そんなことはありません!

これらのシングルもそのうち単独で記事にしたいと思います。

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コメント 6

テル

こんばんは。
上を向いて歩こう~Sukiyakiのヒットの
背景が良く判りました。
しかし、UK盤とは・・・。よくGETできましたね~。
by テル (2009-07-26 21:53) 

POPOSUKE

テルさん こんばんは

このシングルは£3(480円くらい)でした。
全英6位のヒット曲とあって、イギリスでの流通量はそれなりに多いみたいですね。

元々はSEARCHERSのシングル盤が目当てだったのですが、出品者が同じだったのでつい衝動買いしてしまいました(笑)
それでも、買った価値はあると思いますよ♪
by POPOSUKE (2009-07-26 23:18) 

Pandaboy

凄くわかりやすい解説、ありがとうございました。

そうかあ「上を向いて歩こう」が英米でヒットしたのは、ブリティッシュビートの創成期の頃だったんですね。
ビートルズ旋風が吹き荒れる中での6位と言うことは、ジョンやポールも間違いなくこの曲を聴いていたんでしょうね。
そう考えると、何だか無性にワクワクします。
by Pandaboy (2009-07-27 21:30) 

poposuke

Pandaboyさん こんばんは

この曲は全米で大ヒットになったことばかりが注目されがちですが、イギリスからの視点で見ても面白いと思います。

>ビートルズ旋風が吹き荒れる中での6位と言うことは、ジョンやポールも間違いなくこの曲を聴いていたんでしょうね。

間違いなく聴いていたと思いますよ♪
このB面なんかはどんな顔をして聴いていたんでしょうね(笑)

by poposuke (2009-07-27 23:23) 

c-yukky_z

こんばんは~♪
「Sukiyaki」、大好きです^^カラオケでよく歌いますよ^^;
by c-yukky_z (2009-07-28 00:22) 

poposuke

c-yukky_zさん おはようございます

この曲は世界的なヒットになったということ以前に、私達日本人にとっては特別な曲のような気がしますよね。
カラオケでも盛り上がりそうですしね♪
by poposuke (2009-07-28 08:21) 

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