CLIFF BENNETT & THE REBEL ROUSERSといえば、「ONE WAY LOVE」(1964年 全英9位)のヒットで知られているビート・グループです。
彼らはBEATLESのマネージャーであったBRIAN EPSTEINがマージー系以外で最初に契約したビート・グループです。
BRIAN EPSTEIN傘下にしては珍しくR&B色の濃いサウンドが特徴で、ホーン隊やキーボードを含む大所帯のグループでした。
ちなみにフロント・マンのCLIFF BENNETTは後にTOE FATやSHANGHAIといったグループで活躍します。
どちらのグループも私はあんまり知らないんですけどね・・・(苦笑)

そんな彼らの最高傑作(?)がこのアルバムです。

彼らの3枚目のアルバムである本作は、1967年にリリースされました。

本作にはこのヒット曲が収録されています。

BEATLESのカバー曲、「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」です。
この曲は前年(66年)に発売され、全英6位の大ヒットになりました。

本作に”サイケな空気”は皆無です。
それとは逆に、本作は前作、前々作と比べるとR&B・ソウル色がより増しています。
今まではそれほど”黒っぽい”とは感じられなかったCLIFF BENNETTのヴォーカルですが、ここでの彼は立派なブルー・アイド・ソウル・シンガーと言えると思います。

本作の収録曲はSTAX系のカバー曲を中心に構成されており、全体的にかなりSTAXサウンドを意識した音作りが成されています。
本作がリリースされた1967年という時期を現在の感覚で考えると、サイケデリック仕様に衣替えしていないビート・グループというのは時代遅れだと思われがちです。
しかし、この時期はOTIS REDDINGやSAM & DAVE、EDDIE FLOYDといったSTAXサウンドの全盛期でした。
また、YOUNG RASCALSなどの本場のブルー・アイド・ソウル勢もヒット曲を連発していました。
むしろ、STAXサウンドをベースにしたブルー・アイド・ソウルというサウンド・アプローチは新しいものであったと言えますし、40年以上経った今になっても全く古臭さを感じさせません。
本作は英国ブルー・アイド・ソウルを代表する1枚であると思います。