少し前のことですが、イギリスからこのアルバムが届きました。

WHOの代表作のひとつである『TOMMY』(全英2位)です。

このアルバムは2枚組の大作とあって、なかなか聴く時間がありませんでしたが、先週末に漸く聴くことができました。

このアルバムを聴くのは高校生以来です。
その当時はこのアルバムをどうしても好きになれませんでした。
これより先に『LIVE AT LEEDS』や『WHO'S NEXT』を聴いていた私にとって、このアルバムのサウンドはエネルギー不足で覇気が無いように感じられました。
このアルバムのコンセプトの素晴らしさや歴史的な意義、そして曲の良さについては充分理解したつもりですけど、不完全燃焼気味なサウンドは何度聴いても不満でした。

どちらかといえば、映画のサントラ盤を聴く機会の方が多かったくらいです。

映画そのものも結構楽しめましたしね!

こんな人も出ていますしね。


そんなこんなで十数年ぶりにこのアルバムを聴きましたけど、以前とは少し印象が変わりました。

この時期のWHOはウッドストックや『LIVE AT LEEDS』の印象が強いこともあって、私の中では「WHO=ハード・ロック・バンド」という図式がありました。
ただ、このアルバムにはそういった”ハード・ロック的”な要素が希薄です。
それが高校生の私には大きな不満だったのですが、このアルバムが発表された1969年という時期を考えると、前作『SELL OUT』に収録されてそうな曲や、サイケの残り香のような曲があるのは当然のことのように思えます。
それらは所謂”ハード・ロック的”な曲ではありませんけど、今の耳で聴くとバラエティーに富んだ曲の数々は意外と楽しめますし、曲それぞれのクオリティーが非常に高いことも再認識しました。

サウンド面にしても、若干パワー不足かな~という部分も確かにありますけど、よく聴けばKEITH MOONのドラムは暴れまくっていますし、JOHN ENTWISTLEのベースも必要以上に(?)迫力があります。
UK盤で聴いているせいもあるかもしれませんけど、中にはビックリするようなラウドな曲もありますし、以前のように全く覇気が無いサウンドとは感じませんでした。

正直なところ、あまり大きな期待をせずにこのアルバムを聴いたのですが、思っていた以上に印象が変わってしまったので、自分でもちょっと驚いております。
私も20年近い間に少し大人になったのかもしれませんね(笑)


話は全く変わりますが、このアルバムの落札価格は£13でした。
送料を合わせると2800円くらいです。

これを落札した理由はたまたま目に入ったからです(笑)
商品の説明文には初期プレス盤とだけ記されており、マトリックス等の記載もありませんでしたし、ジャケット以外の写真も一切ありませんでした。
それでも、初期プレスのUK盤でこの値段だったら買ってみてもいいかな~と軽い気分で落札してしまいました。

しかし、届いてみてビックリです。