60年代前半のマージー・ビート・ブームは数々の大スターを輩出しました。

BEATLESを筆頭に、GERRY & PACEMAKERS、BILLY J. KRAMER、SEARCHERS、SWINGING BLUE JEANS、MERSEYBEATSなどなどです。

しかし、これらは男性グループやシンガーばかりで、女性となると数が少なくなります。

そんな中で、まず思い浮かぶ女性歌手はCILLA BLACKです。
キャバーン・クラブの受付嬢から英国を代表する人気女性歌手へとのし上がったCILLA BLACKは、非常に幸運なシンデレラ・ガールだと思われがちです。
でも、BRIAN EPSTEINの強力な後押しや、兄貴分であるBEATLESからの楽曲提供だけで成功するほど世の中は甘くありません。
彼女が成功した要因は、彼女自身に確かな才能や魅力があったからだと思います。

でなければ、こんなイモねーちゃんのようなジャケットのアルバムは出せないはずです(笑)


このジャケットはどうでもいいのですが、マージー・ビートの震源地であるリバプールで、CILLA BLACKの対抗馬と目されていた女性歌手がBERYL MARSDENです。

BERYL MARSDENはヒット曲を連発していたCILLA BLACKとは対照的に、チャート入りするようなヒット曲には恵まれませんでした。
それでも、彼女は1963年から66年の間に英DECCAとCOLUMBIAから11枚のシングルを出しています。
ヒット曲が無かったにもかかわらず、これだけ多くのシングルを残すことができたのは、彼女の実力が業界内で認められていたからに他なりません。

彼女はルックスで勝負するような歌手ではありません。
(決して見た目が悪いわけではないですよ!)
歌唱力一本で勝負する実力派歌手です。
同じ実力派の女性歌手でも、女帝DUSTY SPRINGFIELDのように貫禄たっぷりに歌うのではなく、小柄な体を振り絞ってソウルフルに歌い上げるのが彼女の信条です。
華やかな英国GIRL POPシーンの中でも、彼女は非常に”硬派”な印象があります。

そんな彼女のデビュー・シングルが「I KNOW (YOU DON'T LOVE ME NOMORE)」です。



1963年にリリースされた本作は、残念ながら全国的にヒットには至りませんでした。

しかし、売れなかったからといってダメな曲というわけではありません。