BILLY J. KRAMER WITH THE DAKOTASの実質的なラスト・アルバムです。


アメリカでの通算3作目として、1965年にリリースされた本作には、
「TRAINS AND BOATS AND PLANES」(全米47位)、
が収録されています。

本作はアメリカのみで発売された実質的なラスト・アルバムです。
このようにアメリカのみで発売されたラスト・アルバムには当りが多いというのが私の持論(?)ですが、本作もその例外ではありません。
(勿論、例外もあります。例、YARDBIRDS『LITTLE GAMES』)

本作は彼の残したアルバム(UK盤『LISTEN!』を含む)の中で最もロック色が強い作品です。
小ヒットしたタイトル曲や「TWILIGHT TIME」、「UNDERS THE BOARDWALK」なんかは、今までのおっとりとした彼のイメージに合っている端正なマージー・ビートですが、他には勢いのある楽曲が数多く収録されています。
これらの曲では彼の熱いヴォーカルを聴くことができます。
個人的には「WHEN YOU WALK IN THE ROOM」や「SNEAKING AROUND」、「TO TAKE HER PLACE」、「DON'T DO IT NO MORE」での熱唱が気に入っています。

また、これまではバック・バンドとしての手堅い演奏に徹してきたDAKOTASも、このアルバムでは今まで以上に存在感が増していると思います。
そのため、本作では”バンドとしての一体感”が最も感じられます。
特に本作に収録されている2曲のライヴ録音(「TENNESSEE WALTZ」と「IRRESISTIBLE YOU」)では、BILLY Jのヴォーカルを含めて最高に魅力的な演奏を聴かせてくれます。
「TENNESSEE WALTZ」の歯切れのいいギターはMICK GREENによるものでしょうか?

本作は、BILLY Jの気合の入った歌唱と、いつ聴いても素晴らしいDAKOTASの演奏、そして質の高い楽曲の数々と、三拍子揃った好内容のアルバムだと思います。