HOLLIESの4作目です。

1966年にリリースされ、全英16位まで上昇した本作には、
「I CAN'T LET GO」(全英2位)、
が含まれています。

この時期のHOLLIESは次のステップに進むべく、試行錯誤を繰り返していました。
それは、東洋風アレンジのオリジナル曲「ORIENTAL SADNESS」や、S&Gの「I AM A ROCK」に代表される一貫性がまるでないカバー曲群からもわかります。
全体的には少々まとまりに欠ける内容ではありますが、この変革期特有の混沌とした雰囲気はとても魅力的ではあります。

それに、このアルバムの最後には強力シングル「I CAN'T LET GO」が控えています。
まあ、終わり良ければ全て良しということでしょう。

しかし、本作最大の売りは内容よりも、むしろアルバムの顔ともいえるジャケット・デザインだと思います。

HOLLIESはブリティッシュ・ビート・グループの中でも、ジャケットのセンスが極めて悪い部類に入ります。
BEATLESやROLLING STONESはセンスがいい方だと言えるでしょう。

HOLLIESのジャケットは妙に地味な物かひたすらダサい物が多いのですが、このアルバムのセンスの悪さは桁違いだと思います。

レコードで最も重要なのは勿論、中に刻まれている“音”そのものですが、ジャケット・デザインもかなり重要な要素です。
初対面の人の第一印象を左右するのは、やはり“顔”でしょう。
レコードも同じように、ジャケットによって衝動買いを誘うことも多々あるはずです。

このジャケットはJENNIFER SEBLEYという方が描いているのですが、上手い下手は別にしても、もう少し違ったイラストはなかったのでしょうか?
グループの顔ともいえる、ALLAN CLARKEの顔などは怖すぎます。
このジャケット・デザインは衝動買いどころか、逆に買い控えを引き起こしたように思います。
本作はまともなジャケットであれば、恐らく全英トップ10入りを果たせたのではないかと思われます(嘘)。

ブリティッシュ・ビート史上屈指のセンス(?)を誇るこのアルバムのジャケットは、やはりオリジナルを持っていたいものです。