WAYNE FONTANA & THE MINDBENDERSの唯一のUS盤です。


1965年にリリースされ、全米58位を記録した本作には、
「THE GAME OF LOVE」(全米1位)、
が収録されています。

彼らはマンチェスター出身のグループですが、同郷のHOLLIESやHERMAN'S HERMITSなどとは少々ムードが違っていました。
このアルバムの選曲自体はR&Bなどわりと硬派なものが多いのですが、実際には所謂”黒っぽさ”はあまり感じられませんでした。
かといって、HOLLIESやHEREMAN'S HERMITSのように、とびきりポップなサウンドというわけでもありませんでした。
全体的には妙にクールで汗の匂いが全くしないような感じです。
どの曲もソツなくこなしており水準以上の出来ではありますが、どこか掴み所がない印象ですね。

これは、このグループの看板であるWAYNE FONTANAの掴み所の無さに関係があるのでしょうか?
彼は決して悪いヴォーカリストではありません。
彼のクールな歌唱はそれなりに魅力的です。
でも、同時期の看板ヴォーカリスト達と比較すると目立って個性的というわけでもありません。
どちらかといえば、ルックス重視(?)だったんでしょうかね?

とは言っても、このアルバムはダメなアルバムではありません。
大ヒットした「THE GAME OF LOVE」はやっぱりいい曲です。
他の収録曲も、(彼らの甘ったるい自作曲を除けば)ハズレの曲は少なく、むしろ予想以上に楽しめる内容ではありました。

また、このUS盤は彼らのUK1stアルバム『WAYNE FONTANA & THE MINDBENDERS』の選曲に準じた形になっていますが、大ヒット曲「THE GAME OF LOVE」を入れた代わりに「WHERE HAVE YOU BEEN?」がカットされています。
それに曲順も大幅に変更されています。
UK盤には収録されていない「THE GAME OF LOVE」が入っているのはいいんですが、PACEMAKERSもカバーした名曲を何故カットしたんでしょうね?
ジャケットも毒々しい色の背景になっているし、これだからアメリカ人のセンスは困りますね・・・