SPENCER DAVIS GROUPは本国イギリスで(STEVE WINWOOD在籍時に)3枚のアルバムを残しています。
それらはどれも素晴らしい内容です。
しかし、1967年にアメリカでブレイクした後に発表されたUS盤の方が、UK盤よりも彼らの魅力をダイレクトに伝えてくれているように感じます。

このアルバムはSPENCER DAVIS GROUPのアメリカでの1stアルバムです。

1967年にリリースされ全米54位まで上昇した本作には、
「GIMME SOME LOVIN’」(全米7位)、
「KEEP ON RUNNING」(全米76位)、
「SOMEBODY HELP ME」(全米47位)、
が収録されています。

彼らは本国イギリスでは既に絶大な人気を誇っていましたが、アメリカでは66年に「KEEP ON RUNNING」が小ヒットしたくらいで、あまり積極的な売り出しをされなかったようです。
それは、やはり彼らがあまりにも”黒っぽい”ためだったのでしょうか?
そのため、当然アルバムなどは発表されていませんでした。
しかし、67年に「GIMME SOME LOVIN’」が大ヒットすると、それを受けて急遽本作がリリースされました。

本作は急場しのぎで編集されたため、既発のUKアルバム3作からの寄せ集めで構成されています。
いかにもUS盤らしい強引な編集なのですが、実際に通して聴いてみるとそれ程大きな違和感は感じられません。
それは彼らの最重要シングル3曲がこのアルバムの要所要所を押さえているからでしょう。
特に「GIMME SOME LOVIN’」は本当に素晴らしいですね!
1966年前後は各ブリティッシュ・ビート・グループが優れたシングルを次々とリリースして最後の華を咲かせた時期ですが、この曲はそれらの中でも抜きん出てカッコいいと思います。
ちなみに、この曲はUKオリジナル・アルバムには収録されておりません。

STEVE WINWOODが現在に至るまでアメリカにおいて高い人気を誇るのは、この時期の快進撃の記憶と無縁ではないと思います。