昨日も今日も、私が住んでいる地方はぐずついた天気でした。
また、ここ数日は仕事もハードだったので体も疲れ気味です・・・

これはそんな湿った気分を吹き飛ばすような爽快なアルバムです。

1966年にリリースされた本作はDOWNLINERS SECTの3rdアルバムです。

彼は1stアルバムでチンピラR&B路線、2ndでチンピラ・カントリー路線、そしてこの3rdでヤケッパチR&R路線と、常に新しい路線を開拓してきました。
どれも、彼らがやりたかった音楽なのでしょう。
私はそんな彼らの音楽的な欲求に対して異常なくらい忠実な姿勢に強く魅かれます。

この1966年という時期には、BEATLESの『REVOLVER』、ROLLING STONESの『AFTER MATH』、BB5の『PET SOUNDS』など、革新的な内容のアルバムが次々と発売されました。
そんな状況の中で本作は一見、単純明快なR&Rアルバムだと思われがちですが、実は一本の太い筋が通っています。
それは、時代に媚びない信念というか、自分のやりたいことをやり通すという開き直った姿勢です。
こんな痛快なアルバムは他にないと思います。

現在、本作はブリティッシュ・ガレージ・パンクの元祖的な存在として高く評価されているようです。
彼らはそんなイメージのせいか、単なる荒くれ者グループと捉えられがちです。
しかし、実際の彼らは非常に高い実力を持ったグループです。
本作の演奏もよく聴くとメチャクチャ上手いです。
ヒット曲がほぼ皆無であった彼らが3枚ものアルバムを残すことが出来たのは、彼らが実力派グループとして高く評価されていたからでしょう。

結局、時代の流れを無視した本作は当然ながら全く売れませんでした。
潔く玉砕したはずの本作ですが、21世紀になった今でも光輝いています。
その輝きは、同じ66年に発表された『REVOLVER』や『PET SOUNDS』などと比較しても、決して見劣りすることはないと思います。