ブリティッシュ・ビートの三大スティーヴ(?)といえば、SMALL FACESのSTEVE MARRIOTTに、SPENCER DAVIS GROUPのSTEVE WINWOOD、そしてLOVE AFFAIRのSTEVE ELLISです。

この3人のヴォーカリストには共通する点があります。

まずは、十代という若さでデビューしたこと。

そして、素晴らしいブルー・アイド・ソウル・シンガーであることです。

ただ、残念なことに日本でのSTEVE ELLISの知名度はそれほど高くありません。
二人の先輩STEVEと比較すると、彼の知名度には雲泥の差があると思います。
実際に彼の歌声を聴いたことがある方は意外と少ないかもしれません。

そんな方々もこれらの曲を聴けば、彼が”三大スティーヴ”の称号(?)に相応しい存在だと理解してもらえると思います。
Everlasting Love.mp3
Rainbow Valley.mp3
どうですか?なかなかイイでしょう!
曲そのものの良さもありますが、やはりSTEVE ELLISの”声”が光っていると思います。

最初から本格派であったMARRIOTTやWINWOODとは違ってSTEVE ELLISのヴォーカルにはやや青臭さを感じますが、どんな曲でも一生懸命に歌う彼の姿勢には好感が持てますし微笑ましくもあります。

そんなSTEVE ELLISがフロント・マンを務めるLOVE AFFAIRのデビュー作がこのアルバムです。

1968年にリリースされた本作には、
「EVERLASTING LOVE」(全英1位)、
「RAINBOW VALLEY」(全英5位)、
「A DAY WITHOUT LOVE」(全英6位)、
が収録されています。

この3曲のヒット・シングルが収録されているだけでも本作は”買い”です。

この3曲はどれも名曲です。
曲そのものの出来が良いのは当然ですが、ソウルフルに熱唱するSTEVE ELLISが何よりも素晴らしい!
そして、それにドラマチックなアレンジがバッチリ決まっています。

この3曲は甲乙付け難いほど完璧に仕上がっています。

「A DAY WITHOUT LOVE」の動画です。


ちなみに「EVERLASTING LOVE」と「RAINBOW VALLEY」はアメリカのソウル・シンガー、ROBERT KNIGHTのカバーですが、私は原曲のショボさ具合も大好きです。

他のアルバム収録曲はカバー曲が中心です。
ガレージっぽい曲もあれば、サイケっぽい曲もあります。
とりあえずは、やりたい曲をやってみましたという感じです。
そのため、アルバム全体としては少し散漫な印象を受けます。

でも、本作にはデビュー作特有の勢いの良さも感じられますし、決して悪い内容ではありません!