これは凄いライヴ盤です。


火の玉ロッカーJERRY LEE LEWISの西独ハンブルグはスター・クラブでのライヴ盤です。
ここでバックを務めているのは「TOBACCO ROAD」のヒットでお馴染みのNASHVILLE TEENSです。

JERRY LEE LEWISは言うまでもなく偉大なR&Rのオリジネーターの一人です。
「GREAT BALLS OF FIRE」(全米2位)、「WHOLE LOTTA SHAKIN' GOIN' ON」(全米3位)などの大ヒットで、50年代後半には絶大な人気を得ていた彼ですが、60年代に入ると度重なるスキャンダルや奇行によって、本国アメリカでの音楽活動は事実上不可能な状態になっていました。

本国から追放状態(?)だった彼を温かく迎え入れたのは、イギリスをはじめとするヨーロッパ各国でした。
ビート・ロック・ブームによってR&Rが復権していたヨーロッパの若者達は、R&Rのオリジネーターである彼を熱狂的に支持しました。

そんな状況の中でリリースされたのがこのライヴ盤です。

ハンブルグの観客達は偉大なるR&Rのレジェンドをリスペクトしている、というよりは何かが起こるのを期待して騒ぎ立てている感じがします。
もちろん、海千山千の彼はそんなハンブルグの荒くれどもの期待を裏切るはずがありません。
以前からピアノを壊したり火を付けたりと、破壊的なライヴ・パフォーマンスには定評のあった彼です。
このライヴもハズレのわけがありません!
というか、こんなに最初から暴走しているライヴ盤も少ないと思います。
バックを務めるNASHVILLE TEENSも手堅い演奏で支えている、というよりは飛ばしまくる彼に付いていくのがやっと、といった感じです。
彼は若い共演者達を完全に食っていますし、若い聴衆の前でも決して媚びたりしてはいません。
本物のロッカーには国籍も年齢も関係ない、ということをこのライヴ盤は証明しています。