「ソウル・ミュージック」

中学生だった私には分かったようで、よく分からない言葉でした。

もちろん、それが黒人の音楽を指す言葉であること、英語で魂を意味する言葉であることは理解していました。

しかし、それが具体的に何かは全くピンときませんでした・・・


そんなある日、私は一本のカセット・テープを聴きました。

それは私の母が音楽好きの友人から貰ったカセット・テープでした。

その中身は(今にして思うとですが)SAM COOKEのライヴ・アルバム『SAM COOKE AT THE COPA』(の全部ではなく途中まで・・・)でした。

私は”SAM COOKEという人は黒人の歌手らしい”ということしか知りませんでした。

しかし、私はそのカセット・テープを聴いて大きな衝撃を受けました。
子供心にも”これは凄いライヴだ!”と思いました。
それからこのカセット・テープを繰り返し聴きまくりました。

中でも特に印象的だったのは「IF I HAD A HAMMER」でした。

http://www.youtube.com/watch?v=v9uytEoP6nU

この曲が元々誰の曲で、どんな意味合いを持っていたのか、なんてことは当時の私に知る由もありません。
でも、このライヴ録音を聴いて、私は心底その場所に居合わせたかったと思いました。
また、漠然とですけど、これが「ソウル・ミュージック」なのかな?と思いました。

それから私は少ないお小遣いを持ってレコード店に走りました。
もちろん、SAM COOKEのアルバムを買うためです。

そして、最初に買ったのが『NIGHT BEAT』です。
そのレコード店にはそれしか売っていませんでした(笑)
ただ、このアルバムは中学生にとって少々渋すぎる内容でした(苦笑)
今になって聴くと素晴らしいアルバムだと思うのですが、当時の私にはあまりピンときませんでした。

そこで、お金を貯めてから別のレコード店に走りました。

そして買ったのがこのアルバムです。

RCAでの5作目のアルバム『TWISTIN' THE NIGHT AWAY』です。

これを聴いて今度は漠然とではなく、ハッキリとこれが「ソウル・ミュージック」なんだ!と理解することができました。