DC5初の2枚組編集盤である本作は、DC5解散後の1971年にリリースされました。



DC5解散後に発売された2枚組の編集盤となると、彼らのキャリアを総括した内容と思いがちですが、実際にはそうでもありません。

本作の収録曲です。

SIDE1
1.GLAD ALL OVER
2.CAN'T YOU SEE THAT SHE'S MINE
3.I NEED LOVE
4.GOOD LOVE IS HARD TO FIND
5.TRY TOO HARD
SIDE2
1.BECAUSE
2.TIL THE RIGHT ONE COMES ALONG
3.HWENEVER YOU'RE AROUND
4.REMEMBER IT'S ME
5.WHEN I'M ALONE
SIDE3
1.HAVING AWILD WEEKEND
2.SITTING HERE BABY
3.CONCENTRATION BABY
4.PLEASE TELL ME WHY
5.INSIDE AND OUT
SIDE4
1.COME HOME
2.I'LL BE YOURS MY LOVE
3.FOREVER AND A DRY
4.BERNEDETTE
5.HURTING INSIDE

という全20曲が収録されていますが、彼らを代表するヒット曲のいくつか(「CATCH US IF YOU CAN」や「OVER AND OVER」、「EVERYBODY KNOWS」など)が抜け落ちています。
それどころか、所謂「ベスト盤」には普通なら選ばれないようなシングルのB面曲などが収録されています。

もうお気付きの方もおられると思いますが、これらは全てCLARK-SMITH(またはDAVE CLARK単独)クレジットの楽曲です。
この時期(71年)のDAVE CLARK(以下、面倒なので社長)はMIKE SMITHと組んでDAVE CLARK & FRIENDSなるユニットで活動していました。
そういった背景もあって、この編集盤にはCLARK-SMITH名義の曲だけをピックアップしたのかもしれませんね。

そのせいで、DC5の優れたコンポーザーでもあるこの2人の影が極めて薄いのは否めませんが、



ビジネスに徹する社長に情けなどはありません(苦笑)

また、(実際にそのような表記はありませんが)本作もSIDE1と3がアップ・テンポやミディアム・テンポの曲を集めた”GO!"サイド、SIDE2と4がスロー・テンポの曲を集めた”SLOW!"サイドと、後期DC5のアルバムにありがちな社長拘りの構成(笑)になっています。

それと、本作最大の目玉は全曲がリアル・ステレオで収録されていることです。
米EPICのアルバムでは67年の『5 BY 5』以降、UK盤では『THE BEST OF THE DAVE CLARK FIVE』以降はきちんとしたステレオ・ミックスになっていますが、それ以前のアルバムのステレオ盤は疑似ステレオ(UK盤はモノラルのみ)でした。
「I NEED LOVE」、「TIL THE RIGHT ONE COMES ALONG」、「WHENEVER YOU'RE AROUND」、「REMEMBER IT'S ME」、「WHEN I'M ALONE」、「HAVING A WILD WEEKEND」、「PLEASE TELL ME WHY」、「I'LL BE YOURS MY LOVE」、「FOREVER AND A DAY」、「HURTING INSIDE」のリアル・ステレオ・ミックスは本作が初登場です。