「ATLANTIC R&B BEST COLLECTION 1000シリーズ」で追加購入した内の一枚です。

前から欲しかったPERCY SLEDGEの4作目『TAKE TIME TO KNOW HER』です。
この他にはCLARENCE REIDとDON COVAYのCDを購入しました。

PERCY SLEDGEはデビュー曲にして全米1位の大ヒットとなった「WHEN A MAN LOVES A WOMAN」の印象が強すぎて、それだけの一発屋さんだと思われているような気がします。
しかし、実際にはこのアルバムのタイトル曲「TAKE TIME TO KNOW HER」(68年、全米11位)をはじめとする多くのヒット曲を持っている人です。
彼は60年代後半のサザン・ソウル・シーンを牽引したシンガーの一人だと思います。

このCDの解説を書いておられる新井崇嗣氏も言及されていましたけど、PERCY SLEDGEの歌声からはカントリーの影響を強く感じさせます。
彼は決して器用な歌い手ではありませんし、彼よりも歌の巧いR&Bシンガーはたくさんいると思います。
それでも彼の歌声が心に響くのは、無骨だけど生真面目に歌う姿勢と彼が持っているカントリー風味の温かさのためだと思います。
この辺はブリティッシュ・ビート勢に大人気のR&BシンガーARTHUR ALEXANDERと共通する部分です。
もちろん、彼が歌っている楽曲の素晴らしさと、それを上手く調理しているスタジオ・ミュージシャン達の貢献も非常に大きいです!

よくカントリーは白人の音楽だとジャンル分けされます。
それは広い意味で間違っていないですけど、”白人だけの音楽”と限定してしまうのは間違っていると思います。
このPERCY SLEDGEやARTHUR ALEXANDER、RAY CHARLESなどのように、直接的あるいは間接的にカントリーからの影響を感じさせるR&Bシンガーはたくさんいます。
ELVIS PRESLEYのように白人が黒人音楽から受けた影響はよく言及されますけど、その逆については触れられる機会が少ないように感じます。
当時のアメリカ南部には人種間だけではなく文化面での大きな壁が存在していたのは事実でしょうが、同じ時代に生きていれば黒人が白人の音楽を耳にする機会だって少なからずあったはずです。
それが素晴らしい音楽であれば大なり小なり影響を受けることもあるのが自然だと思います。
たまに音楽評論家や音楽ファンの方で音楽を厳密にジャンル分けをしたがる人がいますけど、それってあまり意味がないような気がします。
もちろん、ある程度音楽のジャンル分けをしないと、レコードやCDを探す時に不便ではあります(笑)
しかし、そればかりに縛られてしまうと、音楽が持っている魅力を見落としてしまうことも多いのではないでしょうか。
話があまり関係ない方向に飛んでしまいましたね(苦笑)