先日、いつもお世話になっている音楽ブログ『analog Beat』の管理人であるJDさんとご一緒に、札幌市内のレコード店回りをしました。

JDさんと札幌市のレコード店回りをするのは昨年の夏以来3回目です。
前回はJDさんの移動が絡んでいたので訪問したのは3店舗のみでしたが、今回はたっぷりと時間があるとのことでした。
そこで、まずは札幌市の中心街から離れた場所にあるお店から訪問することにしました。

最初に訪問したのは、地下鉄南北線平岸駅から徒歩10分ほどの場所にある「Page ONE」(豊平区平岸1条9丁目2-17)です。
ここは前回訪問していないお店です。
お店に着いたのは開店時間の午前11時よりも少し前でしたが、店は開いていました。
このお店は少々行きにくい場所にありますが、それでも行ってみる価値はあると思います。
全体的に価格帯はやや高めに感じますけど、品揃えや在庫量は充実しています。

ただ、このお店にはレコードの背表紙を正面に向けて陳列している壁面の棚があるのですが、その中の商品を探すのが大変です。
そこには大量の在庫があって掘り出し物も出てきそうな雰囲気なのですが、棚には商品が隙間なく並んでいますし、目線よりも高い位置の棚もあるので非常に探しにくいです。
それに背表紙だけをずっと見ていると目が痛くなります(苦笑)
いつもなら心が折れてしまうのですが、店内を隅々と探して見つけたのがこの盤です。

MARTHA REVEVES & THE VANDELLASの『SUGAR N' SPICE』です。
USオリジナルのステレオ盤で、価格は1580円でした。
やや高めの価格設定が多いこの店の中では非常にお買い得だと思います。
このアルバムはかなり前にネット・オークションで落札したことがあるのですが、届いたのはとんでもない針飛び盤でした。
それ以来鬼門となっていたアルバムでしたが、ストレスの無い状態で聴くのは実に良いですね(笑)

JDさんはこのお店では2枚のレコードを購入されていました。
そのうちの1枚は私から見てもちょっと変わったセレクトだと思います。

続いて、地下鉄南北線平岸駅からすすきの駅に向かい、すすきの駅から市電に乗り換えます。
札幌の市電はループ化しているので、どちらの方向に乗っても問題はありませんが、すすきの停留所から外回り方向に乗って東屯田通停留所で下車します。
東屯田通停留所のすぐそばにあるのが、「音楽創庫タナカ 」(中央区南22条西9丁目1-38電車通り)です。

東屯田通の停留所に着いた時点で時間はお昼過ぎになっていました。
ところが、周辺に昼食を取れそうなお店は見当たりませんでした。
厳密に言うと豚丼屋さんや喫茶店は近くにあったのですが、豚丼屋さんはなぜか臨時休業になっていました。
仕方ないので昼食は後回しにしてレコード探しを続行します。

音楽創庫タナカは近年のレコードブーム(?)で若い方が行きそうな小ぎれいな店舗と対極の位置にあるお店です。
立地的にもあまり良いとは思えない場所ですし、店内も薄暗くて通路幅も狭いので少々入りにくいかもしれません。
少なくともお洒落な雰囲気は皆無ですね(笑)
そんな雰囲気のお店でもマニアやコレクターの方々が定期的に処分に来ているのか、黒人音楽物を中心に品揃えは充実していますし、価格帯もわりとリーズナブルなので侮れません。
訪問時はお昼という時間帯もあって、他のお客さんはあまりいないと思っていましたが、常連さんらしいお客さんは何人かいました。
やはり、こういったお店には固定客がしっかり付いていそうです。
予想通りお客さんの平均年齢は高めでしたが・・・

このお店の商品は全てレコードの背表紙が正面を向いて陳列されています。
しかし、棚の中にレコードがぎっしりと詰まっているという状態ではないので、あまり探しにくさは感じません。
高い場所にある棚も手の届く範囲です。
通路幅が狭くて他のお客さんとすれ違うのは大変ですが、それは他のお店も似たようなものです。

このお店に来るのは半年ぶりくらいでしたが、黒人音楽物の在庫は結構回転しているように感じました。
新入荷の商品も多かったです。
私は購入しませんでしたけど、新入荷の1枚はかなりお買い得でした。
私の相場感では破格値だと思います。
その反面、ロック系の在庫は前回の訪問時と大きく変わっていないように思います。

このお店で私が購入したレコードです。

OTIS WILLIAMS AND HIS CHARMSの2ndアルバム(なのかな?)『THIS IS OTIS WILLIAMS AND HIS CHARMS』です。
70年代以降の再発盤で、価格は1000円でした。
この辺の作品はレコード・CDを問わず見かけたら買うようにしています。

JDさんはこのお店でレコード4枚とCD1枚を購入されてしました。
このお店では昨年の訪問時に買い逃した物があったとのことでしたが、今回無事に購入できたようです。
それと前述した新入荷のお買い得盤もしっかり購入されていました。
非常に良い買い物をされていたと思います。

「音楽創庫タナカ 」を後にして市電ですすきのまで戻り、近くのスープカレー屋さんで昼食にします。
時間は午後2時過ぎになっています。
スープカレー屋さんでは、JDさんがブログ『analog Beat』で記事にしている、怪しげな企画アルバムについていろいろとお話をしました。
ブリティッシュ・ビートではBEATLESが頂点だとすると、それらは最底辺に位置するようなレコードですが、とても楽しいお話でした(笑)

昼食後、数分歩いて狸小路商店街の2丁目に向かいます。
そこにあるのは再オープンした「KING KONG札幌店」(中央区南3条西2丁目)です。
KING KONG札幌店は一昨年の末に閉店したのですが、今月から営業を再開していました。
再開した店舗も以前と同じ狸小路商店街2丁目の地下にあります。
商店街の中に店の看板はありますが、非常に小さいので見落とすかもしれません。
同じフロアにあるメイド喫茶の看板を目印にすれば間違いないと思います。

再オープンしたKING KONGは同じ地下でも、以前より一回り狭い店舗に変わっていました。
品揃えは以前と同様オール・ジャンルですが、店舗面積が狭くなった分、商品の密度が薄くなったように感じます。
以前は掘り出し物が多い店という印象があったのですが、今回はこれといった盤を見つけることはできませんでした。
でも、店はまだ再開したばかりですし、買い取りや新入荷もこれから増えてくることでしょう。
それに在庫があっても店頭には出しきれていないのかもしれません。
今後に期待です!

とはいっても、せっかく復活したお店で何も買わずに帰るのはちょっと嫌なので、このレコードを購入しました。

ESTHER PHILLIPSの『AND I LOVE HIM』です。
70年代半ばの再発盤で、価格は1000円でした。
アルバム・タイトルのBEATLESカバーはちょっとしたヒットになっていますが、アルバム自体は未聴でした。

次は、「Beat Records」(中央区南2条西4丁目)に向かいます。
こちらは狸小路商店街の外にありますが、KING KONGからは歩いてすぐの距離です。
このお店もビルの地下にあるので、少々分かりにくいかもしれません。
同じ地下フロアには有名な飲食店があるようで、JDさんが見たテレビ番組で取り上げられていたようです。
そこはどうやら一見さんお断りのお店みたいですけど、目立たない地下にあるお店に一見さんが入ってくることは少ないと思います(笑)

Beat Recordsは黒人音楽やジャズが強いお店です。
ここには夏場にも訪問していたのですが、その時には新入荷の商品はありませんでした。
しかし、今回は新入荷の商品がありました。
それも60年代のR&Bやソウル系の素晴らしいレコードばかりです。
ただ、値段も素晴らしい・・・というか完全に専門店価格でした。
新入荷商品の中で買おうかどうか非常に迷った物もあったのですが、値段が高過ぎるように感じたので見送りました。
人気盤かつ貴重盤なので次回来た時には売れ切れているかもしれませんが、縁が無かったということで諦めるしかありませんね。
今回のレコード店回りで一番最初に訪問したのがこの店なら、多少高いと感じても購入したのかもしれませんが、後で訪問する店はどうしてもハードルが高くなってします。

最後に訪問したのが、狸小路商店街の7丁目にある「フレッシュ・エアー」(中央区南2条西7丁目)です。
現在の札幌市内で最も品揃えが豊富な店はここだと思います。
他の地域からお越しになった方にもお勧めできる内容のお店です。

このお店は立地も悪くないですし、入りにくい雰囲気もありません。
そういうこともあって、店内には結構お客さんが入っていました。
昭和に匂いがする音楽創庫タナカ よりも確実に客層は若いように感じます。
やはり、昨今のレコードブームの影響も多少はあるのでしょうか?

しかし、このお店には期待度が高い分、見る目も厳しくなってしまいます。
豊富な在庫の中には興味深い盤もいくつかありましたが、どれも値段が高過ぎます。
以前の記事にも書きましたけど、このお店の価格帯は私の相場感よりも2~3割くらい高いです。
勿論、相場よりも安い掘り出し物が見つかることもありますが、今回は見つけることができませんでした。

JDさんはこのお店で2枚のレコードを購入されていました。
そのうちの1枚は購入するのを少しためらっていたようですが、こういう時は迷わず買うべきだと非常に無責任なことを言ってしまいました。
ハズレのレコードだったらどうしましょう・・・