今回、登場するのはこの4枚です。
まずはマトリックス両面-1Nのラウド・カット盤
マトリックスが両面-5Nの通常盤
GERRY & PACEMAKERSの『HOW DO YOU LIKE IT?』
BILLY J. KRAMER WITH DAKOTASの『LISTEN』
これらのアルバムには共通する点がいくつかあります。
①1963年にEMI系列からリリース
②GEORGE MARTINのプロデュース
③アルバム一曲目が演奏ではなくヴォーカルからスタートする(笑)
『HOW DO YOU LIKE IT?』と『LISTEN』は、私が所有しているレコードの中でも屈指の音のデカさを誇ります。
これらは、『WITH THE BETALES』とほぼ同じ環境下で制作され、ほぼ同時期に同じ系列のレコード会社からリリースされたアルバムです。
果たして、ラウド・カット盤はこれらのアルバム以上の音が出るのでしょうか?
そういうわけで、早速ラウド・カット盤を中心に聴き比べをしてみました。
とはいっても、それぞれ聴いたのは最初の一曲目だけです(笑)
どの曲も歌からスタートするので、比較しやすい(?)と思います。
まずはこの対決(?)から、
『WITH THE BEATLES』ラウド・カット盤 VS 『WITH THE BEATLES』マト5盤
ここはやはりラウド・カット盤の圧勝です。
やっぱりラウド・カット盤は迫力が違います。
ヴォーカルが生々しく前に飛び出してくるようですし、低音もしっかり響いてきます。
それに対してマト5の音は端正でまとまった印象があります。
決して悪い音ではないのですが、やや小さくまとまりすぎて面白味がない感じもします。
それに低音部が少々弱くなっている気がします。
音圧が高く元気のいいラウド・カット盤に比べると、かなり控え目な感じですね。
続いて、『WITH THE BEATLES』ラウド・カット盤 VS 『HOW DO YOU LIKE IT ?』
なんと『HOW DO YOU LIKE IT ?』の方が迫力があります。
このイントロの音はバカでかく、ビックリします。
勿論、ラウド・カット盤も十分に大きな音なのですが、これにはちょっと及びませんね。
ちなみに、『WITH THE BEATLES』のマザー/スタンパー番号は3/GRO、『HOW DO YOU LIKE IT ?』が1/GRです。
この差もあるのかな?よく分からないけど・・・
最後に、『WITH THE BEATLES』ラウド・カット盤 VS 『LISTEN』
これも前の対決と同じ結果になりました。
『LISTEN』の方が迫力は上です。
音の大きさは『HOW DO YOU LIKE IT ?』と同じくらいに感じます。
ちなみに、『LISTEN』のマザー/スタンパー番号は1/Gです。
これは音の鮮度が全然違っています。
ただ、ラウド・カット盤も勢いの良さでは負けていないと思います。
やはり、これは魅力的な音だと思います。
今回はとりあえずこのような結果になりましたが、同じアルバムでも盤の状態や個体差によって音が変わってきます。
もし、それぞれ違う盤で同じ検証をした場合、必ずしも今回とは同じ結果にならないと思います。
ラウド・カット盤の音はやっぱり”ラウド”でした。
そして、”ラウド”なのはこの盤だけではないということも分かりました。
最終的な結論としては、この時期(1963年)にリリースされたEMI系アルバムの初期プレス盤はどれも音がデカく迫力がある!、ということになるかと思います。
ついでに、この対決を近くで聴いていた私の娘の感想です。
「音が大きくてうるさいね」
だそうです(苦笑)