FOURMOST "FIRST AND FOURMOST"

今回はBEATLESファンにもお馴染のこのグループです。


1965年にリリースされた本作には、

1.TILL YOU SAY YOU'LL BE MINE
2.YAKETY YAK
3.GIRLS,GIRLS,GIRLS（全英33位）
4.MY BLOCK
5.SO FINE
6.SOME KIND OF WONDERFUL
7.THE GIRL CAN'T HELP IT
8.TODAY I'M IN LOVE
9.THE IN CROWD
10.BABY SITTIN' BOOGIE
11.HEEBIE JEEBIES
12.SURE TO FALL （IN LOVE WITH YOU)
13.BOUND TO LOSE MY HEART
14.SOMETHING'S GOT A HOLD ON ME

が収録されています。

彼らのデビュー曲は「HELLO LITTLE GIRL」（全英9位）で、2ndシングルは「I'M IN LOVE」（全英17位）です。
BEATLESファンの方には説明するまでもありませんが、どちらもLENNON-MｃCARTNEY提供曲です。
それに彼らのマネージャーはBEATLESと同じBRIAN EPSTEINです。
彼らはその繋がりでGERRY & PACEMAKERSの映画、『FERRY CROSS THE MERSEY』にも（かませ犬役で）出演し、「I LOVE YOU TOO」を披露しています。
（この曲は同タイトルのサントラ盤にも収録されています。）
また、彼らのプロデューサーはGEORGE MARTINで、レコード会社はBEATLESと同じPARLOPHONEです。
まさに、”マージー・ビートの王道”的なグループです。

本作は彼らが残した唯一のアルバムです。
JACKIE DESHANNONのカバー曲「TILL YOU SAY YOU'LL BE MINE」から始まる本作は、全て他人の曲で構成されています。
彼らは演奏能力が高く、コーラス・ワークも巧みな実力派です。
GEORGE MARTINの丁寧なプロデュース・ワークもあり、どの曲も平均水準以上に仕上がっています。
（「TILL YOU SAY YOU'LL BE MINE」についてはSEARCHERSの圧勝ですが・・・）
本作の大半は典型的なマージー・サウンドですが、「THE IN CROWD」などのビートの効いた曲も取り上げています。

そんな本作ですが、個人的にはイマイチしっくりきません・・・
曲自体の出来は決して悪くないですが、何か突き抜けた魅力が無いのです。

それに、彼らは実力派ですが器用貧乏な感じがします。
どの曲もそつなくこなしているのですが面白味には欠けるように思います。
それに、ノベルティー色の濃い曲が多いのもマイナスですね。

スマッシュ・ヒットした「BABY I NEED YOUR LOVIN」の動画です。

ルックスも没個性的ですね。
GERRY & PACEMAKERSくらいに突き抜けないとダメですね（笑）

私が所有しているのは、1997年にEMI100周年記念として発売されたデジパックCDです。
このシリーズは本場アビー・ロード・スタジオでデジタル・リマスターされたこともあり、総じて音質が良好です。
さらにモノラルとステレオバージョンが存在する場合には両方が収録されており、とてもお買い得な内容になっています。
このCDは既に廃盤になっていますが、中古市場でも比較的容易に入手可能だと思います。

ちょっと本作の話からズレますが、彼らのデビュー曲「HELLO LITTLE GIRL」は、当初GERRY & PACEMAKERSの3rdシングルとして予定されていました。
しかし、PACEMAKERSがそれを蹴ったため、彼らがデビュー曲として取り上げたのです。
長い間、PACEMAKERSのバージョンもBEATLES自身のバージョンも未発表でしたが、今では両方とも聴けるようになりました。いい世の中になったものです。

ちなみに、この3者の中ではGERRY & PACEMAKERS版が圧倒的に良いと思います。

FOURMOST版はベスト盤『THE BEST OF EMI YEARS』、
BEATLES版は『ANTHOLOGY 1』、
GERRY & PACEMAKERS版は『HOW DO YOU LIKE IT ?』の紙ジャケCDのボーナス・トラックにそれぞれ収録されています。

興味のある方は是非聴き比べしてみて下さい。