先日のPYE、PHILIPSに引き続き、今回はDECCAのレコード・ラベルを取り上げます。

最近ではレコードをネット・オークションなどで購入される方が増えていると思います。
ネットで購入する場合は、ある程度写真だけで商品を判断しなければいけません。
しかし、ネット上で出品されている商品の中にはオリジナル盤と称して再発盤などが売られていることもあります。
それをオリジナル盤だと思って購入して、実は再発盤だったと後で気付いたとしても、それこそ後の祭りです。

もちろん、その逆もありえます。
出品者がオリジナル盤だと知らずに安値で出品されている商品も確実にあると思います。
事実、私はそのような商品をいくつか安物買いすることができました。
そんな思わぬ掘り出し物に出合うことができるのもネット・ショッピングの醍醐味だと思います。

ネット・オークションで得をするか損をするのかは運次第という面もありますが(笑)、ある程度の商品知識を持ち合わせることも必要かと思います。
特に英語での質問が困難(それは私だけかも?)であるeBayなどでは尚更そのように思います。
ヤフオクなどでも質問欄はありますが、質問することによって(勿論その答えにもよりますが)その商品に余計な注目を集めてしまうこともあるはずです。
写真だけでしっかり判断することが出来れば、余計な質問をせずに他の参加者を出し抜く(?)ことも可能かと思います(笑)

ただ、レコードに関する情報というのはありそうで意外と少ないのが現状です。
例外的にBEATLESやROLLING STONESには熱心なコレクターやマニアが存在しているので、それらを紹介する詳しいサイトや書籍なども存在しています。
しかし、それら以外の、特にBEATLESやSTONESが所属していなかったPYEやPHILIPSレーベルについての情報はかなり少ないと思います。

以前は私自身もそれらについての情報が少なく苦労をしました。
当然ですが、失敗なども数多くありました。
それでも今ではそれなりの知識は身に付いたかと思います。
まだまだ不完全な知識ではありますけどね(苦笑)
そんなこんなでレーベルやジャケットについて記事にしてみましたが、これらの記事がこれからレコードを収集しようと考えている方にとって少しでもお役に立つことが出来れば幸いですね!
あんまり役には立たないかな!?(笑)

さて、能書きが長くなりましたが(汗)、ここから本題に入ります。

DECCAについてはROLLING STONESのレコード・ラベルを見るのが一番分かりやすいと思います。

まずは、1964年リリースの1stアルバムからです。
所謂、”OPEN DECCA”ラベルです。

DECCAのモノラル盤は赤い色のラベルです。
レーベル面に深い溝があるのが特徴です。
タックス・コードは写真のようにラベル面に記載されている場合もありますが、通常はラン・オフ部に刻印されています。
DECCAの場合、68年中頃までのタックス・コードは”KT”です。

続いて、65年リリースの3rdアルバム、『OUT OF OUR HEADS』です。

ラベルのレイアウトが少し変わっています。
この後も若干のマイナー・チェンジはありますが、69年までは基本的にこのデザインになります。

次は68年リリースの『BEGGARS BANQUET』です。

ここからは深溝がなくなり、フラットなラベルになります。
この時期のタックス・コードは”JT"になっています。
このようなラベルの『BEGGARS BANQUET』よりも前のアルバムは、全て68年後半以降にプレスされた盤であると言えます。

次は1stアルバムの70年代プレス再発盤です。

69年後半以降からDECCAのロゴが四角で囲まれた、所謂BOXED DECCAラベルに変更になります。
ラベル自体の大きさも、OPEN DECCAよりも一回り小さくなります。
DECCAの70年代のラベルは基本的にこのデザインになります。

基本的にDECCAのモノラル盤のラベルは赤色ですが、例外的にこんな色のラベルもあります。

レコード番号がTXからはじまる盤のラベルは水色になっています。
STONESでは66年の『BIG HITS』や、写真の『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』がこの色のラベルです。
他にもBACHELORSのベスト盤などがこのラベルだったと思います。

次はステレオ盤です。

『AFTERMATH』のOPEN DECCAステレオ盤です。

DECCAのステレオ盤は青色のラベルになります。
この盤のリリースは66年なので、ラベル面には深溝があり、タックス・コードはKTになっています。
ちなみに、STONESのリアル・ステレオはこのタイトルからです。

69年リリースの『THROUGH THE PAST,DARKLY』です。

OPEN DECCAラベルですが、モノラル盤と同じように68年後半からは深溝がないラベルになっています。
この時期のタックス・コードは”JT"です。
STONESの場合、OPEN DECCAラベルは『LET IT BLEED』の初期プレス盤までとなっています。

次は70年代初期プレスの『OUT OF OUR HEADS』です。

所謂、BOXED DECCAラベルの再発盤です。
ラベルの大きさはOPEN DECCAよりも一回り小さくなっています。
また、この盤には”JT"刻印のタックス・コードがあります。
DECCAでは70年代初期までタックス・コードが刻印されていました。
BOXED DECCAでもJT刻印がある盤は70年代初期までにプレスされた盤だと言えます。
逆にタックス・コードの無いBOXED DECCA盤は73年(72年だったかな?)以降にプレスされた盤とも言えます。

モノラル盤と同じように、レコード番号がTXからはじまる盤はラベルの色が通常と異なっております。

これは66年リリースの『BIG HITS』ですが、緑色のラベルになっています。
勿論、この色のBOXED DECCAラベルも存在します。
ただ、70年代中頃からは通常の色のラベルに変わってしまうようです。
それでもステレオ(緑色)のBOXED DECCAラベルはよく見かけますが、モノラル(水色)のBOXED DECCAラベルは意外と数が少ないかもしれません。

蛇足ですが、DECCAの輸出仕様ラベルです。
ロゴがDECCAではなく、LONDONロゴになっています。



上が『BEGGARS BANQUET』のステレオ盤、下が『THEIR SATANIC MAJESTIES REQUEST』のステレオ盤です。
両方とも日本へ輸出された盤で、通称メ直盤(メーカー直輸入盤)と呼ばれています。
このラベルの盤は(当然ですが)元々UKプレス盤なので音質が非常に良好です。


さらにオマケにDECCA系のレーベルのレコード・ラベルです。
ここからROLLING STONESは関係ありません(笑)