今回は60年代の英国盤に付属しているインナー・スリーブ(内袋)についての記事です。

インナー・スリーブはあくまでもレコードの付属品です。
当たり前のことですが、インナー・スリーブによってレコードの音質が左右されるという事実はありません(笑)
オマケみたいな存在であるインナー・スリーブにこだわりすぎるのはどうかと思います。

しかし、インナー・スリーブもジャケットやレーベルと同様、レコード会社や時期によって様々な違いがありますし、中にはBEATLESの『SGT. PEPPERS ~ 』やROLLING STONESの『THEIR SATANIC ~ 』のように特殊なデザインの物も存在します。
いろんなデザインのインナー・スリーブは見てるだけでもそれなりに楽しいものです。

そんなわけで、第一弾はDECCA系のインナー・スリーブです。

まずは、“HANDING~”、“PLAYING~”表記があるインナーです。

このタイプは1963年頃まで使用されていました。

次も、“HANDING~”、“PLAYING~”表記があるインナーですが、レイアウトが少し異なっています。

このタイプは64年から65年頃まで使用されました。
ROLLING STONESの1stから『OUT OF OUR HEADS』の初期プレス盤には、このタイプのインナー・スリーブが付属していると思われます。

次は上部に“IMPORTANT!"表記があるインナーです。

文章部分が●線で囲まれています。
これは66年前後に使用されていました。

同じく“IMPORTANT!"表記ですが、文章部分の囲みが直線に変わっています。

これは67年以降に使われていましたが、上記のタイプと併用されていた(?)ようです。

60年代末になると、モノラル盤専用とステレオ盤専用のインナーが登場します。
モノラル用は赤、ステレオ用は青になっています。
これらはどうやら68年後半(?)頃から使用されていたようです。



この種類のインナーを識別穴(通称デッカ穴)のついた専用ジャケットに入れると、色の違いでモノラルかステレオかを識別できるようになっています。


70年代初頭のインナーです。



74年頃?まで使用されたインナーです。

私は所有しておりませんが、多分コレのモノラル用(赤)インナーも存在すると思います。

75年頃から使用されたインナーです。
ステレオやモノラルの色別表記は無くなります。


DECCA系の場合、インナー・スリーブの下部にあるパテント・ナンバーは“800513”か“1,072,844”、または無表記です。
また、インナー・スリーブ下部には“MADE IN ENGLAND”の表記もあります。
更に60年代末以降のインナー・スリーブの下部には“R.S.6-78”などのように製造年月(?)の表記もあります。