BEATLESの紙ジャケCD(MONO BOX)の話題に便乗するわけではありませんが(笑)、今日はEMI系のジャケットについて取り上げます。

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60年代の英国盤のジャケットの多くはラミネート・コーティングが施された大変美しい物です。

しかしながらよく見ると、レコード会社によってその形状は異なっています。
場合によっては、同じレコード会社の物でも大きく異なっていることがあります。

EMI系のジャケットは表のみがラミネート・コーティングされ、裏は取り出し口を除く3辺が折り返しされている物が一般的です。

ジャケットの紙質は60年代後半以降になると、ほんの僅かですがやや薄い物に変わります。

そして、70年代前半になると、裏の折り返しがなくなります。


ジャケット製作は基本的にGARROD & LOFTHOUSEか、ERNEST J. DAYの2社です。




折り返しの形状がやや異なっています。

(左がGARROD & LOFTHOUSE製で、右がERNEST J. DAY製です)

この2社のジャケットでよく見かけるのはGARROD & LOFTHOUSE製の方です。
ERNEST J. DAY製のジャケットはやや珍しいかもしれません。

また、ERNEST J. DAY社のジャケットは67年以降(?)見かけなくなります。
しかし、別にERNEST J. DAY社は倒産したわけではなく、その後も英CBSなどのジャケットでちょくちょく見かけるようになります。
EMIとはこの時期に契約が切れた(?)のかもしれませんね。

ジャケットの風合いは同じ製作会社でも時期によって異なる場合があります。
代表的な例はコレですね。

どちらもGARROD & LOFTHOUSE製のジャケットですが、色の濃さが大きく異なります。
ちなみに、左が初期プレス盤(マトリクス1N)のジャケットで、右が後発盤(両面マト5N)のジャケットです。
ROLLING STONESの初期タイトルのジャケットもそうですが、初期の頃と再発盤ではジャケットの色の濃さが異なっていることが多いですね。
特にモノトーン系のジャケットでは印刷の粗さ(?)が目立つような気がします。

ジャケットの右上にはMONOまたはSTEREO表記がありますが、時が経つにつれ文字の大きさがどんどん小さくなります。

そして、60年代後半になると表のMONOまたはSTEREO表記が無くなってしまいます。


モノラルとステレオとを見分けるのは裏ジャケでも出来ます。
PARLOPHONEの場合は、レコード番号がPMCではじまるのがモノラル、PCSがステレオになります。

COLUMBIAの場合は、SXがモノラル、SCXがステレオになります。

一応、ステレオ盤のジャケットには、ステレオについての注意点も明記されています。


また、60年代後半になるとジャケ裏右上には”File under POPULAR : ~”という文章が表記されます。







米CAPITOL盤のジャケットにも同様の表記がありますね。


以上が一般的なEMI系のジャケットですが、もちろん例外だってあります。