BRIAN POOLE & THE TREMELOES "TWIST AND SHOUT"

こちらもMINDBENDERSと同様にリード・シンガーに去られても成功したグループ、というよりもBEATLESにDECCAのオーディションで勝ったバンドとして有名ですね。


本作は1963年にリリースされた、彼らの2ndアルバムです。
前年にリリースされていた1ｓｔアルバムは、当時のヒット曲をカバーした企画物だったので、実質的には本作が彼らの1ｓｔアルバムといえるのかもしれません。

彼らはオーディションでBEATLESに勝ってしまったため、嫌でもBEATLESと比較されてしまうという十字架を背負ってしまいました。
ましてや、本作には彼ら初のヒット曲であり、BEATLESのレパートリーとしても有名な、「TWIST AND SHOUT」（全英4位）が含まれています。

「TWIST AND SHOUT」についていえば、明らかにBEATLESの圧勝です。
とはいえ、決してこちらも悪い出来ではありません。
彼らの疾走感溢れるタイトな演奏は、BEATLESのそれとは対照的です。

また、本作全体もそれなりにクオリティーの高いアルバムです。
特にバックのTREMELOESの演奏能力の高さは間違いなくBEATLES以上です。
彼らは決めるところはビシッと決めるが、決してでしゃばり過ぎないというバック・バンドの鑑ようなグループです。
本作でも手堅い演奏と素晴らしいコーラスワークで、主役たるBRIAN　POOLEを見事に盛り立てます。
また、BRIAN POOLEも様々なタイプの楽曲をソツなく歌いこなす実力派のシンガーです。
彼らの高い実力に裏打ちされた本作の収録曲の大半は、とても良い仕上りになっています。
ある意味、DECCAがハンブルグ帰りのチンピラグループ（勿論BEATLESこのことです）よりも、手堅い実力派である彼らを選んだのは当然のような気がします。
ただ、BRIAN POOLEはヴォーカリストとしての華やかさが欠けているように感じられます。
ルックスもおっさんみたいですしね（笑）
やはり、いくら実力があっても、これでは世界的なスターにはなれませんね。

本作の収録曲はカバー曲が中心ですが、R&B系のカバーよりもポップス系の曲が多いので、所謂”黒っぽさ”は希薄です。
どちらかといえば、”BEATLES以前”の前近代的なサウンドという感じです。
本作は決して悪い内容のアルバムではありませんが、”ビート・グループ”のアルバムとしてはあまり楽しめないかもしれません。
本作の中で、ビート・グループらしい曲は、やはり「TWIST AND SHOUT」くらいでしょうか・・・

私が所有しているのはUKオリジナルのモノラル盤です。

レーベルは溝つきのOPEN DECCAラベルです。

マトリックスは両面1で、タックス・コードは”ＫＴ”になっています。

ROBERT SATCE社製のジャケットは表のみがコーティングされ、裏は上下2辺が折り返されています。


付属していたインナー・スリーブです。


このアルバムは不人気なのか比較的安価で入手することが出来ました。
それでも、音質面ではとても迫力のある素晴らしいモノラル・サウンドを堪能することが出来ました。

それにしても、同じ時期のDECCAのアルバムでも、STONESの1ｓｔアルバムはどうしてあんなに録音が悪いんでしょうね？
このアルバムはSTONESの1ｓｔより1年早く制作されていますが、明らかにクリアーでいい録音がされています。
もっとも、STONESの1ｓｔの場合は、あの録音状態の悪さも魅力（？）のひとつかもしれませんが・・・

おまけの動画です。

う～ん、TREMELOESはやっぱり上手いです！
2曲ともこのアルバムには収録されていないんですけどね（笑）
ただ、「DO YOU LOVE ME」は某ビート・グループの方が10倍イイですね！

タグ：BRIAN POOLE TREMELOES BRITISH BEAT UKオリジナル盤

コメント 4

POPOSUKEさん、こんばんは。
いやぁ、嬉しいですね。
実は僕はBRIAN POOLE and the TREMELOESが大好きなんですよ。（BRIAN脱退後のTREMELOESにはあまり興味がありません。）
と言っても全てのアルバムを持っているわけではないんですが。

特に好きなのは、初期のシングル盤です。
A面かB面で必ずTwist&ShoutばりのShout（「ア～」の音程が上がって最後に叫ぶ）が、これでもかと入っていました。4枚か5枚くらい（すいません、枚数をはっきり覚えていません）のシングルでずっとそれをやり続けたのは彼らしかいないと思います。あれが良いんですよ！

確かにルックスは今から見ると全くもっておっさんのBRIAN POOLEだし、TREMELOESも今ひとつです。
またアルバム「Twist&Shout」のジャケット写真など、G&Pの1stのようなコミック路線にも見えます。どうしてこんな滑稽な写真を使うのか理解できません。
でも、彼らなりのロックンロール魂をそれらのシングルから感じられます。
「Do you love me」では競合盤となったDC5を突き放し、彼らが全英No.1となっていますし。
非常に良いグループだと思います。
by JD (2009-05-02 02:01) 

BRIAN POOLEはカワイイおっさんって感じがしますね。デッカオーディションでBRIAN POOLEが勝ったのも普通の結果なんですよね。

確かに滑稽ジャケですが次のアルバムのジャケよりは好きです。
BRIAN POOLEの「DO YOU LOVE ME」は水で薄めたようなって書かれているのを思い出しました。

少し話は変わりますが最近ソニックスの1stを久しぶりに聴ききましたが、
ソニックスの「DO YOU LOVE ME」より某ビートグループのほうが1000倍くらいカッコよく聴こえました。
といってもソニックスのもいいです。
by reds20061222 (2009-05-02 03:10) 

JDさん　おはようございます

彼らは高い実力の割に過小評価されすぎだと思います。
特に、熱心なBEATLESファンの方からは（笑）
個人的にはDECCAオーデション云々なんてどうでもいいことなんですけどね。

確かにルックスを含めて（笑）カッコいい！と思わせるようなグループではありませんが、しっかりとした実力に裏打ちされた好グループだと思います。
このアルバムだって、ジャケットは冗談みたいですが（笑）、中身の方は変な先入観を抜きにして聴けば充分に楽しめる内容だと思います。

ちなみに、BRIAN離脱後のTREMELOESも結構好きですよ♪
1ｓｔアルバムなんかは素晴らしい出来だと思います。
次はその1ｓｔを記事にする予定なのですが・・・（笑）

それと前から疑問だったのですが、BRIAN POOLEはあのルックス（失礼！）で何故ソロになろうとしたのが不思議でなりません（笑）

by poposuke (2009-05-02 06:57) 

redsさん　おはようございます

カワイイおっさんですか！（笑）

「DO YOU LOVE ME」はDC5と比較される運命にありますが、どう贔屓目に見てもDC5の圧勝です（笑）
他にもいろいろなグループが取り上げていますが、SONICSを含めてDC5には敵いませんね。
本家モータウンもビックリしたくらいですから。

ただ、BETALESと比較される運命の「TWIST AND SHOUT」になると話は少し変わってきます。
JOHN LENNON渾身のシャウト・ヴォーカルの前にはどうしても分が悪いのですが、演奏だけをとれば間違いなくTREMELOESの方が上だと思います。
なんてことを書くと、熱心なBEATLESファンの方からお叱りを受けそうですけどね（笑）

私はこのアルバムで「TWIST AND SHOUT」の次に収録されている、「TWENTY MILES」という曲が気に入っております。
これなんかを聴くと、ホントに上手いグループだな～って思います。

by poposuke (2009-05-02 07:11)