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ソフト・ロック その2 [BRITISH BEAT]

前回に引き続きソフト・ロックについてです。

今回は私の思い浮かべるところの英国版ソフト・ロックのアルバムです。
当然ですが、前回の記事で出てきたアルバムは出てきません
また、”ブリティッシュ・ビート”という枠から外れてしまうので、敢えて68年以降にデビューした人達のアルバムは選びませんでした。
なので、一般的にこれはちょっと違うだろ~というアルバムも含まれているかもしれません。

そんなわけで、まず私が真っ先に思い浮かんだ英国版ソフト・ロックのアルバムはコレです。

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HERMAN'S HERMITS ”THE BEST OF HERMAN'S HERMITS" [BRITISH BEAT]

このブログの中で何度か書いていますが、私はベスト盤の類があまり好きではありません。
なので、私は昔からベスト盤の類を極力買わないようにしています。

でも、例外も一部にはあります。

先日購入したこのベスト盤は非常に気に入っております。
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値段が非常に安かったので購入したということもあるのですが(笑)、内容的には満足しております。
彼らの曲はどれもポップで親しみやすいですからね!


ただ、このベスト盤、収録曲の面でちょっとだけ不満が残ります。

例えば、彼らを代表するこの曲が入っていませんし、

私の好きなこの曲もありません。

この曲はリリース時期が後だから仕方ないか(苦笑)

それらを差し引いたとしても、このベスト盤は充分に楽しめます!

この「I CAN TAKE OR LEAVE YOUR LOVING」(1967年、全英11位)や、先の「MY SENTIMENTAL FRIEND」(69年、全英2位)もそうですが、彼らの素晴らしい曲は活動後期に多いです。
たまに「彼らは67年以降のロックの変革期に対応出来ずに消えていった」という人がいますが、それは間違いだと思います。
シングルだけではなく、アルバム単位でも『BLAZE』(67年)のような大傑作もありますしね!
KINKSの『SOMETHING ELSE』辺りが好きな方なら、きっと気に入ると思います!

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BILLY FURY AND THE TORNADOS "WE WANT BILLY!" [BRITISH BEAT]

「BILLY FURYは素晴らしいアルバムを出している。今はなくしてしまったけれど、本当にあれはいいアルバムだ。(中略)彼の歌は自分で作ったものだった。そして、自分の知っている連中と一緒に演奏をしていた。」

私がBILLY FURYの名前を初めて知ったのは、ROLLING STONESのKEITH RICHARDSの古いインタビュー記事でした。

BILLY FURYはCLIFF RICHARDと同世代の英国人ロッカーです。
彼の歌のスタイルはELVISの強い影響下にありましたが、彼はただ物真似をするだけではなく自分で曲作りをしていました。
私には、”BEATLES以前”の英国の音楽シーンといえば、作詞・作曲はプロの作家で、演奏はスタジオ・ミュージシャンによる完全な分業体制、という前時代的なイメージがありました。
しかし、”BEATLES以前”の英国にも自作自演のアーティストが存在していたのです。
これは”何でも最初はBEATLESから始まった”と思い込んでいた私にとって驚きの事実でした。
しかも、あまり同業者を簡単には褒めない(そんなことはないかな?)KEITHが絶賛しているのです。
このインタビュー記事を読んだのは学生時代のことでしたが、それ以来BILLY FURYは聴かなければいけないアーティストの一人になりました。

そして、それから20年近く経って(苦笑)ようやく入手したのが、このライヴ・アルバム『WE WANT BILLY !』です。
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1963年にリリースされた本作は全英14位を記録しました。

本作はスタジオ内に彼のファンを動員して収録したスタジオ・ライヴ盤で、A面がR&RやR&Bのカバー曲、B面が彼のヒット曲を中心に構成されています。

ここで注目なのがA面です。
A面はR&RやR&Bのカバーばかりですが、自分が好きだったり憧れていた曲をただ単純にコピーしているわけではありません。
BILLY FURYはELVIS PRESLEYの強い影響下にあるシンガーですが、「THAT'S ALL RIGHT」のカバーはオリジナルと全く違う雰囲気に仕上げています。
冒頭の「SWEET LITTLE SIXTEEN」にしても同様です。
白人のCHUCK BERRYカバーにありがちな軽薄なR&Rではなく、ここにはしっかりとした”ビート”が刻まれています。
これはまさしく”ブリティッシュ・ビート”です!
他人の曲をオリジナル以上のレベルに昇華させるのはブリティッシュ・ビートのお家芸のひとつですが、ここでの曲も”英国の音”に仕上がっていると思います。
”ブリティッシュ・ビート”は”ビートルズ以前”にもしっかり存在していたのです!

ただ、彼の主演映画挿入歌などのヒット曲が中心のB面はやや退屈な出来かもしれません。
こちらには彼の自作曲なんかもあるんですけどね・・・

また、本作でバック・バンドを務めているTORNADOSにも注目です。
「TELSTAR」の全米No.1ヒットで有名なTORNADOSですが、元々はBILLY FURYのバック・バンドとして編成されたグループです。
お互いに気心が知れている彼らはこのライヴ盤でも息がピッタリです。
それに、本作ではJOE MEEKのプロデュース下の分厚いエコー・サウンドの中で曇ってしまいがちなTORNADOSのバンドとしての生身の姿を垣間見ることができます。
本作での躍動感溢れる”ライヴ・バンド”としてのTORNADOSは非常に魅力的だと思います。

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THE WHO "MY GENERATION" [BRITISH BEAT]

いろいろな経緯があって、この盤が我が家に届きました。
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WHOの『MY GENERATION』です。

勿論、カウンターフィット盤ではなく、英BRUNSWICKレーベルのオリジナル盤です。
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この盤のマトリックスは機械打ちで2B/1B、タックス・コードはKT刻印です。
レーベル面には深溝がしっかり刻まれています。
レーベルは初期仕様になるのかな?

しかし、この盤は高かったです。
送料を含めると、しばらくぶりの1万円越えでした。
私のeBay自主基準を初めて破ってしまいました(苦笑)
それでも盤面はEXクラスで良好ですし、ジャケットは裏面に経年変化の変色があるものの、表はキレイだったので、とりあえずは満足しております。

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THE WHO "TOMMY" [BRITISH BEAT]

少し前のことですが、イギリスからこのアルバムが届きました。
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WHOの代表作のひとつである『TOMMY』(全英2位)です。

このアルバムは2枚組の大作とあって、なかなか聴く時間がありませんでしたが、先週末に漸く聴くことができました。

このアルバムを聴くのは高校生以来です。
その当時はこのアルバムをどうしても好きになれませんでした。
これより先に『LIVE AT LEEDS』や『WHO'S NEXT』を聴いていた私にとって、このアルバムのサウンドはエネルギー不足で覇気が無いように感じられました。
このアルバムのコンセプトの素晴らしさや歴史的な意義、そして曲の良さについては充分理解したつもりですけど、不完全燃焼気味なサウンドは何度聴いても不満でした。

どちらかといえば、映画のサントラ盤を聴く機会の方が多かったくらいです。
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映画そのものも結構楽しめましたしね!

こんな人も出ていますしね。


そんなこんなで十数年ぶりにこのアルバムを聴きましたけど、以前とは少し印象が変わりました。

この時期のWHOはウッドストックや『LIVE AT LEEDS』の印象が強いこともあって、私の中では「WHO=ハード・ロック・バンド」という図式がありました。
ただ、このアルバムにはそういった”ハード・ロック的”な要素が希薄です。
それが高校生の私には大きな不満だったのですが、このアルバムが発表された1969年という時期を考えると、前作『SELL OUT』に収録されてそうな曲や、サイケの残り香のような曲があるのは当然のことのように思えます。
それらは所謂”ハード・ロック的”な曲ではありませんけど、今の耳で聴くとバラエティーに富んだ曲の数々は意外と楽しめますし、曲それぞれのクオリティーが非常に高いことも再認識しました。

サウンド面にしても、若干パワー不足かな~という部分も確かにありますけど、よく聴けばKEITH MOONのドラムは暴れまくっていますし、JOHN ENTWISTLEのベースも必要以上に(?)迫力があります。
UK盤で聴いているせいもあるかもしれませんけど、中にはビックリするようなラウドな曲もありますし、以前のように全く覇気が無いサウンドとは感じませんでした。

正直なところ、あまり大きな期待をせずにこのアルバムを聴いたのですが、思っていた以上に印象が変わってしまったので、自分でもちょっと驚いております。
私も20年近い間に少し大人になったのかもしれませんね(笑)


話は全く変わりますが、このアルバムの落札価格は£13でした。
送料を合わせると2800円くらいです。
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これを落札した理由はたまたま目に入ったからです(笑)
商品の説明文には初期プレス盤とだけ記されており、マトリックス等の記載もありませんでしたし、ジャケット以外の写真も一切ありませんでした。
それでも、初期プレスのUK盤でこの値段だったら買ってみてもいいかな~と軽い気分で落札してしまいました。

しかし、届いてみてビックリです。

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CLIFF BENNETT & THE REBEL ROUSERS "GOT TO GET YOU INTO OUR LIFE" [BRITISH BEAT]

CLIFF BENNETT & THE REBEL ROUSERSといえば、「ONE WAY LOVE」(1964年 全英9位)のヒットで知られているビート・グループです。
彼らはBEATLESのマネージャーであったBRIAN EPSTEINがマージー系以外で最初に契約したビート・グループです。
BRIAN EPSTEIN傘下にしては珍しくR&B色の濃いサウンドが特徴で、ホーン隊やキーボードを含む大所帯のグループでした。
ちなみにフロント・マンのCLIFF BENNETTは後にTOE FATやSHANGHAIといったグループで活躍します。
どちらのグループも私はあんまり知らないんですけどね・・・(苦笑)

そんな彼らの最高傑作(?)がこのアルバムです。
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彼らの3枚目のアルバムである本作は、1967年にリリースされました。

本作にはこのヒット曲が収録されています。

BEATLESのカバー曲、「GOT TO GET YOU INTO MY LIFE」です。
この曲は前年(66年)に発売され、全英6位の大ヒットになりました。

本作に”サイケな空気”は皆無です。
それとは逆に、本作は前作、前々作と比べるとR&B・ソウル色がより増しています。
今まではそれほど”黒っぽい”とは感じられなかったCLIFF BENNETTのヴォーカルですが、ここでの彼は立派なブルー・アイド・ソウル・シンガーと言えると思います。

本作の収録曲はSTAX系のカバー曲を中心に構成されており、全体的にかなりSTAXサウンドを意識した音作りが成されています。
本作がリリースされた1967年という時期を現在の感覚で考えると、サイケデリック仕様に衣替えしていないビート・グループというのは時代遅れだと思われがちです。
しかし、この時期はOTIS REDDINGやSAM & DAVE、EDDIE FLOYDといったSTAXサウンドの全盛期でした。
また、YOUNG RASCALSなどの本場のブルー・アイド・ソウル勢もヒット曲を連発していました。
むしろ、STAXサウンドをベースにしたブルー・アイド・ソウルというサウンド・アプローチは新しいものであったと言えますし、40年以上経った今になっても全く古臭さを感じさせません。
本作は英国ブルー・アイド・ソウルを代表する1枚であると思います。

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TREMELOES 'SILENCE IS GOLDEN' [BRITISH BEAT]

今日も帰宅すると海外からレコードが届いておりました。
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新生TREMELOESの『THE TREMELOES』です。
これはBRIAN POOLE脱退後の2作目になります。

彼らはDECCAレコードのオーディションで、BEATLESに”勝ってしまった”という過去を持っています。
そのせいかどうかは知りませんが、現在の彼らの評価は不当に低いと思います。

このアルバムだって(1stアルバムほどではないにせよ)普通に良いアルバムだと思います。
彼らのコーラス・ワークは完璧ですし、演奏だって的確で巧いです。
でも、人気に比例するように(?)値段は安かったです(苦笑)

彼らは決して”失敗したバンド”ではありません。
むしろ、それなりに成功したグループだと思います。
現にヒット曲だって、たくさん出しています。
その代表作が本作にも収録されているこの曲です。

「SILENCE IS GOLDEN」(全英1位、全米11位)です。
これはこれで良い作品なんですが・・・

彼らは何かとBEATLESと比較されるのが悪いんですよね(苦笑)

でも、DECCAオーディション云々なんて今さらどうでもいいことです。

良いものは良いで、しっかり評価しなければいけないですね。

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FLYING MACHINE "DOWN TO EARTH WITH THE FLYING MACHINE" [BRITISH BEAT]

出張から帰ってくると、海外からこんなレコードが届いておりました。
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FLYING MACHINEの『DOWN TO EARTH WITH THE FLYING MACHINE』のUKオリジナル盤です。
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これはずっと前から探していたレコードです。
ラミネート・コーティング無しのジャケットは少し傷んでいましたが(盤はキレイ!)、値段は送料込みでたったの£5(700円くらい)でした!

1970年にリリースされた本作ですが、現在では話題になることがほとんどないので、ご存知でない方も多いと思います。
そんな彼らの唯一のヒット曲がコレです。

「SMILE A LITTLE SMILE FOR ME」です。
この曲は全米5位の特大ヒットになりました。
また、日本でも「笑って!ローズマリーちゃん」というやや微妙な(?)邦題で話題になったようです。
しかし、本国イギリスではチャート入りせずに終わってしまいました。

このアルバム自体も全英チャート入りすることはありませんでした・・・

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BACHELORS "BACHELORS' GIRLS" [BRITISH BEAT]

BACHELORSはアイルランド出身の3人組コーラス・グループです。

現在、このグループは話題になることがほぼ皆無(?)ですし、彼らが”ビート・グループ”の範疇に入るかというと少々疑問ではあります。
彼らの音楽には”ビート感”も”黒っぽさ”もありません。
それでも彼らは1963年から67年の間に17曲を全英チャート入りさせています。
そのうち8曲はトップ10入りしているので、かなりの人気グループであったことがお分かりだと思います。
60年代の英国の音楽シーンは”ブリティッシュ・ビート”一色ではありませんでした。
このようなコーラス・グループなども根強い人気があったのです。

そんな彼らの4作目のアルバムがこの『BACHELORS' GIRLS』です。
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1966年にリリースされ全英24位を記録した本作は、タイトルやジャケットにもあるように女性に関する曲ばかりを集めたコンセプト・アルバム(!?)です。
彼らには品行方正なイメージがありますが、実際には違ったのかもしれませんね(笑)

本作のプロデュースはLOS BRAVOSで一山当てたIVOR RAYMONDE(と言っても誰も知らないか?)で、ギターにはYARDBIRDS加入直前のJIMMY PAGEが参加しています。
そんな本作ですが、相変わらずビート感はゼロです(笑)
しかし、だからといって本作がつまらないアルバムというわけではありません。
彼らのコーラス・ワークは見事ですし、何よりもフォーキーなほのぼのサウンドは聴いていて楽しくなります。
たまにはこういったリラックスできる音楽も悪くないと思います。

このアルバムに収録されている「HELLO, DOLLY!」(全英38位)と、

「MARIE」(全英9位)です。

彼らが出演していたTV番組などは当時たくさんあったと思うのですが、YouTube上では全然見つかりませんでした。
やはり彼らは不人気グループなんですね・・・

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本日の収穫 [BRITISH BEAT]

新宿に寄り道してきました。
結局、空き時間は一時間もありませんでしたけど(苦笑)

今回探していたのはBEATLESの『FOR SALE』と『HELP!』のUKステレオ盤でした。
手頃な価格の2EMI GRAMOPHONEリム盤でもあれば買おうと思っていたのですが、特に目ぼしい盤はありませんでした。
それにしても、国内のショップの値段は高いですね。
やはりeBay UKでの値段に慣れてしまうと、国内ショップの価格では馬鹿らしくて買えなくなってしまいます。

それでも、せっかく来たのに手ぶらで帰るのも何なので、時間が無い中で無理矢理(?)選んだのがこの2枚です。
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SILKIEの”THE SILKIE SING THE ONGS OF BOB DYLAN"のUKオリジナル盤と、
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NEW VAUDEVILLE BANDの”WINCHESTER CATHEDRAL”のUSオリジナル盤です。

2枚とも”ブリティッシュ・ビート”の本流から外れている作品かもしれません。
しかし、私はこれらもブリティッシュ・ビートの一部だと思います。
こういったアルバムがあるからこそブリティッシュ・ビートは奥が深いのです!

と、無理矢理自分に言い聞かせてみました(笑)


UK盤にこの曲は入っていませんでしたね(汗)
この曲も収録されているUS盤を買った方が良かったかな?



ちなみに値段は2枚合わせて4千円以下でした。
不人気盤は安くていいですね(笑)

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