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PRINCE BUSTER "PRINCE BUSTER ON TOUR" [その他の音楽]

最近よく聴いているライヴCDです。
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”キング・オブ・ブルー・ビート”ことPRINCE BUSTERの『PRINCE BUSTER ON TOUR』です。
本作は1967年(?)に英BLUE BEATからリリースされました。

この時期のスカやロックステディ、所謂ブルー・ビートのライヴ盤は珍しいと思います。
ましてや、収録場所は(多分)英国です。
ちょうどこの頃の英国では、彼の「AL CAPONE」が全英18位のヒットになっていました。
全英チャート入りするということは、彼の曲が在英ジャマイカ人や一部のマニアックなモッズだけではなく、一般の音楽ファンにも認知されていたことになるのでしょう。

実際、このライヴ盤での熱狂度は凄いです。
この独特な雰囲気は他のライヴ・アルバムにはないものだと思います。
本作の具体的な収録場所や時期は分かりませんけど、彼のライヴの聴衆には在英ジャマイカ人だけではなく、熱狂的な白人ファンも含まれていたようです。
熱狂的な白人ファンとは、新しもの好きのモッズ少年・少女、またはこの頃から出現しはじめたスキンヘッドと呼ばれる若者達だと思われます。
(スキンヘッドとジャマイカ音楽の関係については、また別の機会に取り上げます)
PRINCE BUSTERがこのような白人ファンを獲得した背景はいろいろあると思いますが、彼がかなり早い時期から積極的に全英ツアーを敢行していたことも関係していたと思います。
彼は全英ツアーの会場によく学校施設を使っていました。
それは普通の会場よりも使用料が安いというのが理由だったようですが、学校でのライヴは若いファンを育てるのにも一役買っていたはずです。

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MILLIE SMALL [その他の音楽]

当ブログのメイン・テーマは”ブリティッシュ・ビート”です。

最近の記事はジャマイカの音楽やモータウン、ELVIS PRESLEYばかりで、あまりブリティッシュ・ビートのブログぽくないかもしれませんが(苦笑)、それらは決してブリティッシュ・ビートと無関係ではありません。

ジャマイカの音楽だって、ブリティッシュ・ビートと深く関わっているのです。

スカの原形はR&Bですし、ロックステディにはシカゴ・ソウルやモータウンの影響が大ですけど、ジャマイカの音楽は英国という舞台があったからこそ発展し、世界へ飛躍したと言っても過言ではありません。

その典型例がこのアルバムです。
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ジャマイカ出身の少女、MILLIE SMALLの『MORE MILLIE』(1964年)です。
本作にはスカのリズムを世界中に広めた重要曲「MY BOY LOLLIPOP」(全英2位)が収録されています。
ブリティッシュ・ビートのファンの方で、このアルバムが嫌いな人は(たぶん)いないでしょう!
誰が聴いても必ずハッピーな気分になれるアルバムだと思います。

「MY BOY LOLLIPOP」は世界的な大ヒットになりましたが、人気に火が付いたのは英国からでした。
ジャマイカとの関係が深い英国では、ジャマイカの音楽が一般に受け入れられる土壌ができていました。
そして、それが世界に広まっていったのも、同時期に進行していた”ブリティッシュ・インヴェイジョン”の波と無縁ではなかったはずです。
英国発のブルー・ビート、私はこれも”ブリティッシュ・ビート”の一部だと考えています。

勿論、この曲がヒットした最大の要因はMILLIEの愛らしいキャラクターと歌声です。


しかし、彼女は他にマイナー・ヒットを一曲出しただけで、その後はヒット曲から遠ざかってしまいました・・・

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"JAMAICA SKA" [その他の音楽]

60年代の英国では一定の知名度があったジャマイカの音楽ですが、音楽産業の中心地アメリカではそうでもありませんでした。
アメリカの一般音楽ファンにレゲエやスカがはっきりと認知されたのは70年代以降です。

しかし、60年代の間、ジャマイカのミュージシャン達が地理的にも近い巨大市場アメリカへのアプローチを、全くしなかったわけではありません。

1964年にはアメリカでこんなアルバムが発売されています。
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ATLANTICからリリースされた『JAMAICA SKA』です。

このアルバムは(タイトルそのままですが)スカのコンピレーション・アルバムです。
ジャマイカ音楽界の大御所BYRON LEEを中心に、CHARMERS、BLUES BUSTERS、STRANGER & KEN、MAYTALSの楽曲が収録されています。
プロデュースも(多分)BYRON LEEです。

1964年のジャマイカでは、誕生して間もない音楽”スカ”が大ブームになっていました。
ジャマイカのスカ・ブームは多くの優秀なミュージシャンを生み出しました。
BOB MARLEY率いるWAILERSもそうですし、まだ10代前半の少年だったJIMMY CLIFFもスカ・ブームからスターになった人達です。
そんな彼らの目は市場規模の小さいジャマイカ国内だけではなく、海外へも向けられました。
勿論、主要なターゲットになったのは社会的・歴史的に結び付きの強い英国と超巨大市場アメリカでした。

ちょうどこの頃、ジャマイカ出身の少女MILLIE SMALLが歌う「MY BOY LOLLIPOP」が世界的な大ヒットになっていました。
また、アメリカでの万国博覧会にジャマイカの特産品(?)としてスカも紹介されることになりました。

このような事をきっかけにして、スカを世界に広めようとするジャマイカのミュージシャン達の熱意と、流行りモノに便乗したいアメリカのレコード会社の思惑がうまく一致したのが、このアルバムだと思います。

この頃のATLANTICは黒人音楽専門のレーベルでした。
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スカも新種のR&B的な切り口でアメリカに紹介されたのでしょうか?
それともリゾート地の観光向け音楽としてなのでしょうか・・・

また、裏ジャケには、
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楽しいダンスの解説があります。
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ちなみにレコーディング・エンジニアはTOM DOWDです
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どうやら彼はわざわざキングストンまで出向いたらしいです。

それと、このアルバムには日本盤も存在していたようです。

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JOHNNY NASH "I CAN SEE CLEARLY NOW" [その他の音楽]

昨日の記事の続きです。

JIMMY CLIFFといえば、これも代表的な曲だと思います。

映画『クール・ランニング』の主題歌としても有名な「I CAN SEE CLEARLY NOW」です。
日本のドラマでもこの曲は使われていましたね!

この曲のオリジナルはアメリカのR&BシンガーJOHNNY NASHです。

JOHNNY NASHの「I CAN SEE CLEARLY NOW」は1972年に全米1位の大ヒットになりました。

JOHNNY NASHという人は、アメリカのミュージシャンとしてはいち早くジャマイカ音楽の魅力に気付いた人です。

英国ではわりと早くから知られていたジャマイカの音楽(スカ、ロックステディ、レゲエ)ですが、60年代のアメリカではほとんど話題になることがありませんでした。
64年にはMILLIE SMALLのスカ「MY BOY LOLLIPOP」がアメリカでも大ヒットしますが、それが大きなムーヴメントになることはありませんでした。
アメリカにも英国と同じようにジャマイカからの移民が多数存在していたはずですが、英国と違って他民族国家で人口も多く国土も広いアメリカだと、ジャマイカ系の人達はあまり目立つことがなかったのだと思われます。
JOHN LENNONのソロ・アルバム『MIND GAMES』のレコーディング中、アメリカのセッション・ミュージシャン達にレゲエのリズムを理解させるのが大変だったというエピソードがありますけど、70年代の前半でもアメリカのミュージシャンの多くにはジャマイカ特有のリズムへの免疫が無かったのでしょうね。
ジャマイカ音楽に対する英国とアメリカの温度差を物語るエピソードだと思います。

JOHNNY NASHがジャマイカの音楽に触れたのは、ジャマイカへのプロモーション・ツアーがきっかけでした。
ちょうどその頃にかの地で流行っていたのがロックステディでした。
ロックステディの独特なリズムに大きな衝撃を受けたJOHNNY NASHは、現地の腕利きミュージシャン達を起用してレコーディングを敢行します。

そうして生まれたのが、1968年のヒット曲「HOLD ME TIGHT」(全米5位)です。

これはメジャーなアメリカのミュージシャンによる初めてのジャマイカ録音、そして初の大ヒット曲です。
よく音楽関連の本だと、初めてジャマイカ録音を敢行したアメリカのミュージシャンはPAUL SIMONだという記述がありますが、それは間違いです。

この曲が収録されているのがこのアルバムです。
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1968年にリリースされ全米109位を記録した、『HOLD ME TIGHT』です。
このアルバムは全編ロックステディで構成されています。
アメリカ人初のロックステディ作品集だということを抜きにしても、大変優れたアルバムです。
ジャマイカ音楽ファンの方が聴いても、満足できる内容だと思います。

JOHNNY NASHというのは非常に多才な人です。
「I CAN SEE CLEARLY NOW」や「HOLD ME TIGHT」は自作の曲ですし、自らアレンジやプロデュースもこなします。
また俳優としての一面も持っています。
そんな才能に溢れた彼ですが、他人の優れた楽曲を取り上げる柔軟性も持っています。
そういった柔軟性があるからこそ、ジャマイカの音楽にも興味を示したのでしょうね。
『HOLD ME TIGHT』でもWAILERS(ノースウエストのガレージ・バンドじゃないですよ)のPETER TOSHの楽曲を取り上げていますし、アルバム『I CAN SEE CLEARLY NOW』(72年、全米23位)ではBOB MARLEYの楽曲を4曲(1つは共作)を取り上げています。
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アルバム『I CAN SEE CLEARLY NOW』に収録されているヒット曲(「STIR IT UP」全米13位)はBOB MARLEYの提供曲です。

このように彼はBOB MARLEY率いるWAILERSと非常に縁が深く、WAILERSの世界進出のきっかけを作った人でもあります。

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JIMMY CLIFF [その他の音楽]

DVD BOX 『THE STORY OF BEAT-CLUB VOLUME 1』の中で、ちょっと興味があった映像です。

この時期(1967年)のドイツのテレビにJIMMY CLIFFが出演していたのは驚きでした。
当時の彼が活動拠点にしていたイギリスでは(以前このブログでも取り上げた)DESMOND DEKKERやPRINCE BUSTERなどの活躍によって、一般レベルにもジャマイカの音楽(スカ、ロックステディ)が徐々に認知されつつありましたけど、ドイツではどうだったのでしょうか?
ドイツには英国とは違ってジャマイカからの移民なんてほとんどいなかったでしょうから、ジャマイカの音楽にはあまり馴染みがなかったと思われます。
そんな状況の中でJIMMY CLIFFがドイツの視聴者にどのよう映っていたのか、ちょっと気になります。
ドイツではEQUALSの人気が高かったですけど、彼らにブルー・ビートっぽさは少ないですからね。

JIMMY CLIFFは本国ジャマイカで若くしてスターになった人です。
彼はさらなる成功を求め、かなり早い時期に渡英しましたが、その後はなかなかヒット曲に恵まれませんでした。
この『BEAT-CLUB』の映像はそんな彼がもがき苦しんでいた時期の貴重な記録です。
ちなみに、この映像の時点でも彼はまだ十代でした。
そのような年齢には全然見えませんね(笑)

そんなJIMMY CLIFFの一般的なイメージとしては、BOB MARLEYと並ぶレゲエ界のスーパースター、または主演映画『HARDER THEY COME』の主人公のような反逆のヒーロー、みたいな感じでしょうか?

でも、私の印象はちょっと違っています。
彼には『HARDER THEY COME』の主人公のような血走った目よりも、穏やかな眼差しの方が似合っているように思います。
私は彼の歌声の中に優しさや温か味を感じます。
決して歌がもの凄く巧いわけではないかもしれませんけど、彼には”歌心”があるような気がします。
それは私が思い浮かべる彼の代表曲が「HARDER THEY COME」ではなく、この曲だからだと思います。

JIMMY CLIFF最大のヒット曲、「WONDERFUL WORLD, BEAUTIFUL PEOPLE」(全英6位、全米25位)です。

この曲は英TROJANから発売された、『JIMMY CLIFF』(1969年)に収録されています。
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音楽ファンの中にはレゲエがちょっと苦手という方もおられると思います。
しかし、このアルバムはそんな方にも非常に聴きやすいと思います。
曲のベースとなっているのは勿論ジャマイカ特有のリズムなのですが、それに乗っている音は実にメロディアスです。
メロディー・メーカー、コンポーザーとしての彼はもっと評価されていいと思います。
それに彼にはラスタファリアニズムに代表されるようなジャマイカ独特の世界観へのこだわりがあまりないのも、一般的な音楽ファンの方には馴染みやすい部分かもしれません。
あくまでも良い意味ですが、彼の音楽はあまりジャマイカっぽくないような気がします。
それは彼が早い時期から海外で活動していたからなんでしょうね。
”ブリティッシュ・ビート”の波や”スウィンギング・ロンドン”も彼は体感していたでしょうし、若い多感な時期に海外でいろいろな体験をしてきたことは、彼の世界観や音楽にも多大な影響を与えたはずです。

「ジャマイカの音楽に興味があるけど、どこから聴いて良いか分からない」という方には、このアルバムから聴くと入り込みやすいかもしれませんね!

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SUPREMES "A BIT OF LIVERPOOL" [その他の音楽]

今日は予定を変更して、ひとつ前の記事と関連したアルバムの登場です。

SUPREMESの『A BIT OF LIVERPOOL』です。
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彼女らの3作目のアルバムとして1964年にリリースされた本作は、全米21位を記録しました。

1964年といえば、アメリカではBEATLESの上陸にはじまるマージー・ビート旋風が吹き荒れた年です。
この空前のマージー・ビート・ブームを目にした商魂逞しいアメリカの業界人達は、当然のように便乗商品を作りあげます。

例えば、こんなのです。
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これらの多くは偽英国人(というかアメリカ人)による、擬似マージー・サウンドだったりします。
そして、その大半が超低予算で制作され、極めて怪しげなレーベルから発売されていました。

そんな中でも、この『A BIT OF LIVERPOOL』はメジャーなアーティストから初めて出された便乗(?)アルバムといえます。

本作はアルバムのタイトルからもお分かりのように全てマージー・ビートのカヴァーで構成されています。
収録されているのはBEATLESやGERRY & THE PACEMAKERS、PETER & GORDON、DAVE CLARK 5、ANIMALSのカヴァー曲です。
BEATLESの提供曲を歌っているPETER & GORDONはともかくとして、DC5やANIMALSはマージー・ビートではないだろうという声も聞こえてきそうですが、細かいことを気にしてはいけません(笑)

マージー・ビートのカヴァー曲が中心の本作ですが、注目点は多いです。
まずは、快進撃が始まった直後のSUPREMESが流行のマージー・サウンドをどのように歌い上げるか、そして英国勢にも強い影響を与えたモータウンの腕利きミュージシャン達がどのような演奏をするのか、また英国勢がカヴァーしたモータウン・ナンバー「YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME」と「DO YOU LOVE ME」が先祖帰りしてどのような化学反応をおこしたか、などなどです。

しかし、本作を聴くとちょっとだけ肩透かしを食らってしまいます。

このアルバムでのマージー・ビート・カヴァーはオリジナルに忠実です。
でも、ここで聴きたいのは原曲どおりのカヴァーなんかではなく、モータウン流に料理されたサウンドです。
はっきり言って、「HOUSE OF THE RISING SUN」などのいくつかの曲はDIANA ROSSの個性に合っていません。
もう少し彼女らの個性にあったアレンジや選曲が必要だったと思います。

それにモータウンの腕利きミュージシャン達の演奏もどこかよそ行きな感じです。
彼らにはマージー・ビートという素材が扱いにくかったのでしょうか?
それとも原曲のイメージを崩すなという指示でもあったのでしょうか?
どちらにしても、これではちょっと面白味に欠けてしまいます。

また、「YOU'VE REALLY GOT A HOLD ON ME」と「DO YOU LOVE ME」は英国勢のカヴァーというよりも、普通にモータウン内のカヴァーになってしまっています。
「DO YOU LOVE ME」なんかはDC5の爆音カヴァーに対する、モータウンからの回答を聴きたかったのですが・・・

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JACKIE WILSON "HIGHER AND HIGHER" [その他の音楽]

これも最近よく聴いていたCDです。
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JACKIE WILSONの傑作アルバム『HIGHER AND HIGHER』です。
1967年にリリースされ全米163位を記録した本作には、「(YOUR LOVE KEEPS LIFTING ME) HIGHER & HIGHER」(全米6位)が収録されています。

JACKIE WILSONといえば、SAM COOKEやJAMES BROWNらと並ぶソウル・ミュージックのオリジネーターの一人です。
しかし、ここ日本での彼の評価はお話にならないくらい低いです。
そういう私もあまり熱心に聴いていたとはいえませんけど(苦笑)

日本での彼の評価が低いのは、日本でソウル・ミュージックがしっかりと認知された70年代に大きなヒット曲を生み出せなかったのも大きな要因かもしれません。
夭折してしまったSAM COOKEのように、早くから伝説のようになってしまえば別だったのかもしれませんが・・・
それと、”ミスター・エキサイトメント”といわれた彼のライヴの凄さが上手く伝わらなかったのも大きいと思います。
いくらライヴに定評があっても、本国以外ではなかなか理解されないですからね。
JBのように何度も来日していれば話は少し違ってくるのですが・・・

でも、私が今まで彼を聴いてこなかった理由は全く別です。

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MARTHA REEVES & THE VANDELLAS "BLACK MAGIC" [その他の音楽]

一昨日の記事でも触れましたけど、最近よく聴く一枚です。
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1972年にリリースされ全米146位を記録した本作には、「BLESS YOU」(全米53位)が収録されています。

本作はMARTHA&VANDELLASのラスト・アルバムです。
私は以前から、この時期のVANDELLASがモータウンからまともなプロモーションをされていないと思い込んでいましたが、それは大きな間違いでした。
彼女らにとって最後のヒット曲となった「BLESS YOU」や、これまたカッコいいアップ・テンポのナンバー「YOUR LOVE MAKES IT ALL WORTHWHILE」を提供したのは、JACKSON 5を手がけた作曲チームTHE CORPORATIONです。
ということは、モータウンの総帥BERRY GORDYもこれに関わっていたはずです。
BERRY GORDYとMARTHA REEVESとは待遇面などでかなり揉めたと伝えられますが、何だかんだ言ってもBERRY GORDYは彼女の才能を買っていたのだと思います。
実際、60年代のモータウンの良い部分と70年代の新しい雰囲気とが心地よくミックスされている本作は、非常に素晴らしい出来です。
どうでもいい扱いを受けていた人達のアルバムなら、絶対にこのような出来にはならなかったでしょう。
個人的には、人気の高い『HEAT WAVE』や『DANCE PARTY』よりも好きなアルバムです。

本作のベスト・トラックはJACKSON 5のカヴァー「I WANT YOU BACK」(これもTHE CORPORATIONの曲)です。
本家のような愛らしさはまるでありませんが、10倍以上カッコ良く仕上がっていると思います。
この曲を聴くだけでも本作を買う価値があると思いますよ!

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DESMOND DEKKER & THE ACES "007 SHANTY TOWN" [その他の音楽]

前の記事にも書きましたが、最近はジャマイカの音楽ばかり聴いています。

でも、この作品も”ブリティッシュ・ビート”と無縁ではありません。
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DESMOND DEKKER & THE ACESの『007 SHANTY TOWN』です。

1967年に英国でリリースされた本作には、「007 (SHANTY TOWN)」(全英14位)が収録されています。

本作はロック・ステディの傑作です。
1967年という時期に英国でリリースされた本作をブリティッシュ・ビート好きの方は無視できないはずです。
本作は当時の英国の若者達がスカやロック・ステディといったジャマイカ発の音楽をどのように捉えていたのかを知る格好のサンプルになります。
本作はメロディアスな佳曲揃いなので、ジャマイカ音楽ファン以外の方にとっても聴きやすいと思います。

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PRINCE BUSTER "TEN COMMANDMENTS" [その他の音楽]

ここ最近よく聴いていたCDはコレです。

”キング・オブ・スカ”ことPRINCE BUSTERの『TEN COMMANDMENTS』です。
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PRINCE BUSTER唯一のUS盤である本作には、「TEN COMMANDMENTS」(全米81位)が収録されています。
本作は1967年にメジャー・レーベルのRCA VICTORからリリースされました。

私はこのアルバムをずっと前から探していました。
残念ながらUSオリジナル盤は値段が高く手を出せずにいたのですが、今年になってからCDで再発されていることを知って早速購入してみました。

長年探し続けたこのアルバムですが、その価値は充分にありました。
これを聴いて以来、スカやロックステディにすっかりハマっています。
ブログの更新を休止していた間に購入したCDの半数以上はスカやロックステディ、初期レゲエです。
つい最近まで”ロックステディ”という言葉の意味すらよく知らなかったんですけどね(苦笑)

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